[北京 10日 ロイター] - 中国外務省は10日、米国務省のウェブサイト上で台湾に関する説明が修正されたことを非難し、「政治的操作」をしても台湾海峡の現状を変えることはできないと指摘した。
米国務省ウェブサイトの台湾の概要説明で、台湾の独立不支持と自国の一部との中国の見解を認める表記が削除された。更新日からは5月5日に修正されたとみられるが、中国や台湾のメディアの10日の報道で広く知られるようになった。
中国外務省の趙立堅報道官は会見で、中国は一つで台湾は中国に属するとし、中華人民共和国が唯一の合法的な政府だと主張。国務省サイトの文言修正は、台湾海峡の現状変更を試みる政治的操作で、米国は自らがつけた火の粉をかぶることになると述べた。
米国務省のプライス報道官は、表現が一部修正されたかもしれないが「基本的な政策に変更はない」と説明。「ファクトシートは定期的に更新している。台湾に関するファクトシートは、台湾との非公式の堅固な関係を反映している。中国に対し、責任ある行動を取り、台湾への圧力を強める口実を作らないよう求める」と述べた。
国務省は、レーガン政権時代の1982年に台湾に提示した安全保障関連の「六つの保証」にも文言を追加した。
台湾外交部(外務省)は、引き続き自衛力を強化し、米国など認識を共有する国々と協力し台湾海峡およびインド太平洋の平和と安定、繁栄の推進に努めると指摘した。