[ワシントン 2日 ロイター] - 米民主党のマンチン上院議員(ウェストバージニア州選出)が提案した電気自動車(EV)向け税額控除変更案について、米自動車業界から見直しを求める声が非公式に相次いでいる。原材料調達などでの新条件が厳し過ぎるため、EV促進策にならないと主張している。
案は7月下旬にマンチン氏が同党のシューマー上院院内総務と合意。中古EV向けの控除枠を新設し、控除適用車の累積販売台数に関する制限は撤廃。一方で重要原材料の調達先とバッテリー部品の大半について、2023年以降、製造場所や組み立て場所の規制を強化する案だ。
ただマンチン氏は2日、記者団に対し、案の見直しには消極的な姿勢を表明。自動車メーカーが原材料調達で北米での産出と精製処理を積極的に確実に進めるべきだとし、「われわれは中国(依存)とは一線を画すべきだ」と語った。外国のサプライチェーンに依存して米国の自動車を作るべきではないとし、「私はそうした方向に進めるつもりもない」と強調。米国がこれまで自前でガソリン車とエンジンを製造してきたのに、なぜ突然それが不可能になるのかと訴えた。
自動車業界からは、重要資源とバッテリー組み立ての目標比率があまりに高く、引き上げペースも急速過ぎるとの声が強い。
新興EVメーカーのリビアンは、価格面のハンディから「米国産EVの購入を検討する意欲を米消費者から奪う」と批判し、最終案には移行期間の延長を盛り込む必要があると主張。ゼネラル・モーターズ(GM)も7月29日、案の一部項目は実現が難しく、一朝一夕には達成できないとの考えを示している。