[ソウル 4日 ロイター] - 韓国を訪問中のペロシ米下院議長と金振杓国会議長は4日の会談後、共同声明を発表し、北朝鮮に対する強力で広範な抑止力を維持し、同国の非核化達成に向けた取り組みを支援すると表明した。
両氏は会談で北朝鮮による核・ミサイルの脅威が増しているとの懸念を示した。
声明は「北朝鮮に対する強力な抑止力に基づき、国際協力と対話を通じて現実的な非核化と平和を達成するための(米韓)両政府の取り組みを支持することで一致した」としている。
ペロシ氏は記者会見で、地域の安全保障と経済・気候問題で協力を強化する方法について、金議長と協議したと明らかにした。
ペロシ氏は台湾訪問後、3日夜に韓国に到着した。
韓国当局者によると、4日には南北境界線を訪問する予定。2019年にトランプ大統領(当時)が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記との会談のために訪れて以降、最高位の米高官の訪問となる。
休暇中の尹錫悦大統領はペロシ氏と対面で会談しなかったが、安全保障問題担当の高官によると、40分間電話会談を行い、戦略的国際同盟の発展のために米議会との緊密に協力することを約束した。
尹氏はまた、ペロシ氏の南北境界線訪問が「北朝鮮に対する強い抑止力の表れ」になると述べた。
韓国大統領府は別の声明で、尹氏が訪米した際にペロシ氏に会って同盟関係を強化する方法について協議したいと伝えたと明らかにした。
韓国メディアの間では、ペロシ氏の台湾訪問が中国の激しい反発を招いたことから、中国との対立を避けるためにユン氏とペロシ氏の直接会談は見送られたとの見方が浮上している。しかし大統領府の報道官は記者団に「全ての決定は国益を考慮して行われた」とし、韓米同盟を最優先する立場に変わりはないと説明した。