[モスクワ 9日 ロイター] - ロシア外務省のセルゲイ・リャブコフ次官は9日、米ロの新戦略兵器削減条約(新START)に基づく査察活動について、ロシアに対する渡航制限によりロシア側は米国内で査察を行うことができないことを知りながら、米国がロシア国内での査察を行う意向を示したことは「不合理かつ不必要なエスカレーション」だと非難した。
ロシア外務省は8日、新STARTに基づく査察活動を一時停止する方針を米国に通告したと明らかにした。米国などによる渡航制限が理由で、米政府が提案する条件は「米国に一方的な利益をもたらし、米国の領土で査察を実施する権利をロシアから事実上奪うものだ」と主張した。
リャブコフ次官は外務省が発表したコメントで、米国側の発表はロシアが協力を撤回するきっかけになったとし、「現状では、このような動きは明らかな挑発行為のようだ」と指摘。双方向の査察に向けた取り組みを維持することを米国側も望んでいると確信していたが、「残念ながら米政府はそう考えず、不合理かつ不必要なエスカレーションに走った」とした。