[台北/北京 18日 ロイター] - クリテンブリンク米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は17日、台湾を威圧し弱体化させようとする中国の試みは、誤算につながる恐れがあるとの見解を示した。中国が台湾に対する圧力を継続すると見込んでいるとも述べた。
ペロシ下院議長の台湾訪問は米国の「一つの中国」政策と合致し、前例があるにもかかわらず、「中国はこれを言い訳に使って台湾への圧力を激化させる動きに出て、現状変更を試みた。この結果、台湾海峡一帯と周辺地域の平和と安定が脅かされた」と電話会見で語った。
「こうした行動は中国による台湾への圧力強化戦略の一環で、今後数週間から数カ月にわたって展開されると思われる」と述べ、台湾を威嚇、威圧し、力を弱めることが目的との見方を示した。
米国の台湾政策は一貫して変わらず、米政府は台湾の正式な独立は支持していないと言明した。
「われわれの政策に変化はないが、変わったのは北京の威圧が増したことだ」と指摘。「中国の言動は(情勢を)非常に不安定化させている。誤算につながる危険性があり、台湾海峡の平和と安定を脅かす」との認識を示した。
米国はあらゆる対話の機会を捉えて中国に危機をあおらず、挑発しないようを伝えてきたと話した。
さらに、中国政府と対話する用意が引き続きあると述べる一方で、米軍は今後も定期的に台湾海峡を航行すると表明した。
「われわれは中国の妨害にもかかわらず、平和と安定を守るために冷静かつ断固とした措置を取り続ける。従来の政策に沿って台湾を支援していく。責任を持って着実に断固として行動する」と強調した。