[ベルリン 25日 ロイター] - スターリンがソ連の最高指導者だった1930年代にウクライナで引き起こされた人為的な大飢饉「ホロドモール」について、ドイツの与野党議員が「ジェノサイド(大量虐殺)」と認定する文書を用意していることがロイターが入手した草案で分かった。
草案は、スターリン指導下のソ連が飢餓と抑圧を通じて、農民だけでなくウクライナの文化と言語をも支配、抑圧しようとしたと指摘。「現在の視点からすると、歴史的、政治的に『ジェノサイド』の分類に当てはまる」とし、独連邦議会はこうした見方に賛同するとしている。
ドイツのメディアは、この文書は来週に連邦議会下院で審議され、可決される見通しと報じている。
ウクライナのクレバ外相は、ドイツに感謝しているとツイッターに投稿した。
スターリンは1932年11月、農業の集団化を進める中、穀倉地帯ウクライナの農村から作付けに必要な種子を含む全ての穀物のほか、家畜などの徴収を開始。数百万人もの人々が餓死し、米イェール大学の歴史研究者、ティモシー・スナイダー氏は「明らかに計画的な大量殺人」だったとの見方を示している。
ロシア帝政とソ連時代を含め、ウクライナ語のほか、ウクライナの独自の文化とアイデンティティーは過去数百年にわたり抑圧されてきた。ホロドモールについては、これまでにルーマニア、アイルランド、モルドバなどがジェノサイドと認定している。