[キーウ(キエフ) 1日 ロイター] - ウクライナ軍幹部は1日、ロシアは核弾頭が搭載可能な巡航ミサイルをダミーの弾頭を搭載した状態で発射しており、ウクライナ西部でその破片を発見したと発表した。その狙いは明らかに防空網のかく乱だとした。
ウクライナ軍研究部門の幹部、ミコラ・ダニリウク氏によると、10月31日に西部リビウおよびフメリニツキーに落下したミサイルの破片は、1970年代に旧ソ連が開発した空対地ミサイル「Kh-55」の一部だと確認された。このミサイルは爆撃機に搭載し戦略核兵器の運搬手段として用いることを主目的としている。
破片の検査では異常なレベルの放射線は検出されなかった。ダニリウク氏は「これは核物質との接触がなかったことを示している」とした上で、このミサイルは非爆発性弾頭を搭載していたことを明らかにした。
爆発物を搭載していなかったとしても、ミサイルの運動エネルギーと搭載燃料だけで一定の危険性はある。
同氏は「これらのミサイルの発射は、ウクライナの防空システムをかく乱し、消耗させることを意図している」と述べた。