[北京 6日 ロイター] - 中国の習近平国家主席は6日、11月30日に96歳で死去した江沢民元国家主席の追悼大会で弔辞を述べ、共産党が「政治的風波」を乗り越えるのに貢献し、国内経済を近代化するための改革を行ったなどと江氏をたたえた。
江氏は反対派を抑えて天安門事件後の中国の外交的孤立を解消し、その後は前例のない経済ブームを演出するなどの業績を残した。
習氏は北京の人民大会堂で行われた追悼大会で、1989年に起きた天安門とその周辺での民主化運動に言及。党、軍、国が「外部の圧力と内部の困難の深刻な瞬間」に直面した際、江氏が指導力を発揮したと指摘。「80年代後半と90年代前半に、国内外で深刻な政治的風波が起こり、世界の社会主義は深刻な複雑さを経験した。西側諸国の中には中国にいわゆる『制裁』を加える国もあった」と述べた。
しかし、江氏は改革開放を推し進め、党と人民の結び付きを強めたほか「外交闘争」を行い、中国の独立、尊厳、安全、安定を守ったと語った。
さらに、江氏は確固たる信念を持ち、決断力があったとも指摘。「彼は大胆な決断を下す並外れた勇気と、重大な局面で理論的な革新を行う偉大な勇気を有していた」とたたえた。
式典が始まった午前10時(日本時間同11時)には、全国で防空警報のサイレンが3分間鳴り響き、株式・為替・債券市場も同じく3分間取引が停止された。
習氏は江氏の死を計り知れない損失だとし、国は悲しみを力に変え、同氏の遺産を党の発展における新しい章を書くために使わなければならないと指摘。「よこしまなことを信じず、幽霊も圧力も恐れず、前途にあるあらゆる困難と試練を乗り越えるために最善を尽くそう」と呼びかけた。