[メキシコ市 13日 ロイター] - メキシコのロペス・オブラドール大統領は13日、民主的に選出されたペルーのカスティジョ前大統領の罷免を批判し、ペルーとの関係を保留すると表明した。
カスティジョ氏は先週、大統領令により3回目の弾劾手続き投票を阻止しようとしたが、野党が多数を占める議会で罷免が決まった。
12日には、メキシコ、ボリビア、コロンビア、アルゼンチンの政府が共同声明で、カスティジョ氏の人道および法的保護を求めた。
ロペス・オブラドール氏は、その後の定例記者会見で「カスティジョ氏を選出した民意は、尊重されるべきだ。同氏は民主的に選ばれており、追放はできない」と述べた。
また、他国の内政不介入方針を示しながらも、ペルーの憲法は「非民主的な点」を持っていると指摘。この問題が法的に解決されるまではカスティジョ氏をペルーの指導者と見なし続けるとし「(ペルーとの)関係を保留し事態の推移を見守る。民主的な解決が模索されるよう願う」と述べた。
これを受け、ペルーのボルアルテ新大統領は13日、カスティジョ氏を支持する地域の代表者と協議する意向を示した。
ボルアルテ氏は、カスティジョ氏がクーデターを試みたため、罷免は合法だと主張した上で、メキシコ、ボリビア、コロンビア、アルゼンチンの首脳とこの問題を協議する意向を記者団に示した。
ボルアルテ氏は「こうした兄弟国との外交関係は以前と同じだ」と主張。ただ先週、自身に祝意を示したアルゼンチンのフェルナンデス政権がなぜ12日の批判的な声明に署名したのか混乱しているとも述べた。
その後、ペルー大統領府はツイッターへの投稿で、ボルアルテ大統領が欧州連合(EU)や英仏独など欧州の14人の大使と官邸で面会したと発表。米国のリサ・ケンナ大使とも会談したと明らかにした。