[シドニー 20日 ロイター] - オーストラリア政府は次期駐米大使にケビン・ラッド元首相を充てた。就任は来年早い時期。米豪が中国の国力増強に対抗するため安全保障上の協調を深めているタイミングに当たる。
外相経験もあるラッド氏は中国語にも堪能で、2013年の政界引退後は中国との外交関係について幅広く著述活動などを展開。現在はアジア協会(ニューヨーク)を率いる。
アルバジーニー首相は20日の記者会見でラッド氏の中国についての専門的知見を称賛。その上で、同氏を駐米大使にするのは米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」重視の表れだとも位置付けた。
ラッド氏は声明でオーストラリアの国益について、これまでの長年と同様、オセアニア地域での米国による最大かつ最も実効性のある戦略的な関わりによって保障され続けていくと強調。米国との同盟関係の重要性を改めて表明し、米政財界と個人的に緊密なつながりがあることもにじませた。