[ワシントン 7日 ロイター] - 米政府高官は7日、中国による中南米へのアプローチを巡って、経済規範に反していると批判したほか、フェンタニル(鎮痛や麻酔に使われる強力な合成オピオイド)の違法な取引撲滅への取り組み強化を促した。
米国務省のブライアン・ニコルズ次官補(西半球問題担当)は、下院小委員会で証言し、中南米への中国の商業進出は「紐付き」で「透明性が欠如している」とするバイデン政権の見解を改めて示した。
中南米は中国の投資戦術に嫌気がさし、後悔を感じていると指摘。米は外交、対外援助、民間投資を通じて実行可能な代替手段を提供する必要があるとし、「その要望に応えることが肝要だ」とした。
一方、トッド・ロビンソン国務次官補(国際麻薬・法執行問題担当)は、フェンタニル危機について証言。米国で押収されたフェンタニルのほとんどは「中国から調達され転用された前駆体化学物質を使用しており、メキシコ経由で取引される」と説明した上で「前駆体化学物質の流れを断ち切ることが重要だと認識している」と述べた。
中国当局は、フェンタニルの取引に関与したとされる中国の企業や個人に対する米国の制裁に反発。米政府がフェンタニルへの需要を減らす努力をせず、批判をそらそうとしていると主張している。