[22日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は22日、南部ヘルソン州カホフカ水力発電所のダム決壊で死亡した人々の遺体を回収し隠匿するため、ロシアが特別な集団を結成したと述べた。定例のビデオ演説で明らかにした。
今月初め、ウクライナ南部のロシア支配地域にあるヘルソン州カホフカ水力発電所の巨大ダムが決壊した。その責任を巡り、ロシアとウクライナの双方は互いに非難し合っている。
ゼレンスキー氏は、ロシア支配地域の状況について「控えめに言っても壊滅的」と表現した。
ダム決壊により下流に大量の水が押し寄せ、特にロシア軍が一部地域を占領しているヘルソン州が被害を受けている。
ウクライナは、ロシアが被災者の救助を行っていないと非難している。
ウクライナ側は発表している公式な死者数は21人。このうち5人は避難活動中にロシア軍の砲撃で死亡したという。ロシア側は死者数を46人としている。
ウクライナ軍は22日、被災地の疫学的状況がかなり悪化し、特にA型肝炎ウイルスの感染が広がっていると明らかにした。
ウクライナのストリレツ環境相によると、ダム決壊による被害額はこれまでで15億ドルを上回っている。