■業績動向
(2) 2016年12月期見通し
SBSホールディングス (T:2384)の2016年12月期の連結業績は、売上高が前期比8.2%減の145,000百万円、営業利益が同16.0%増の6,200百万円、経常利益が同7.4%増の6,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が3,600百万円(前期は3,815百万円の損失)となる見通し。
TranspoleやAtlasが連結子会社から外れることにより、売上高で約170億円の減収、営業利益で3.5億円の増益要因となるが、国内事業に関しては不動産事業の拡大により増収増益基調が続く見通しだ。
事業セグメント別の見通しは以下のとおりとなる。
○物流事業 物流事業の売上高は前期比10.6%減の128,200百万円、営業利益は同42.1%減の1,200百万円を見込む。
Transpole、Atlas以外の事業で見れば、売上高は1~2%程度の増収、営業利益は50%程度の減益となる計算だ。
売上高については、今上期に6拠点、トータル面積で5万坪の物流センターを開設する予定となっており、計画の達成は十分可能とみられる。
3PL事業についても新規開設の効果により、同6.4%増の545億円と拡大基調が続く。
営業利益で減益を見込んでいるのは、新規開設する物流センターを安定稼働させるまでの人件費増を見込んでいるため。
物流センターの立ち上げ期は生産性が低くなるが、当期は過去最大規模の立ち上げを行うことから、その影響度も大きくなる。
一方で、増益要因としては海外事業で3.5億円、国内赤字事業(主にCD・DVD物流事業)の改善で5億円が見込まれている。
CD・DVD物流事業については前期にソフト卸大手の(株)星光堂から物流業務を受託し、2015年9月に拠点の移管を完了。
前期は費用が先行する格好となったが、今期は若干の黒字となる見通しだ。
このため、営業利益でも保守的な計画になっているものと弊社では見ている。
今期の売上高営業利益率は0.9%の水準に低下するが、2017年12月期には立ち上げ費用が一巡すること、付加価値の高い3PL事業の売上構成比が上昇することなどから、2%超の利益率に回復することが予想される。
なお、海外物流のうちシンガポール、香港、タイ、ベトナム、フィリピンでの事業については継続して行っていくことになる。
年間売上高は8億円と小さいが、今後の経済成長が見込めることから、現地企業とのアライアンスなどを進めながら事業を拡大していく考えだ。
このうち、ベトナムについては現地大手流通グループ企業と提携し、低温物流の事業化に関するフィージビリティスタディを行っている段階で、順調に進めば今後、合弁会社などを設立して本格的に物流事業を展開していく可能性がある。
○不動産事業 不動産事業の売上高は前期比21.5%増の10,500百万円、営業利益は同42.8%増の4,700百万円となる見通し。
賃貸事業では物流センターの開設が上期に相次ぐこともあって、売上高で前期比19.2%増の3,200百万円、営業利益で同16.1%増の1,600百万円を見込んでいる。
また、開発事業では今下期に川越物流センター(1.2万坪)の売却を予定しており、売上高で前期比22.6%増の7,300百万円、営業利益で同62.0%増の3,100百万円を見込んでいる。
川越物流センターについては現在フル稼働の状況となっていることから、計画どおりに売却できるものと思われる。
従来、物流施設の売却による営業利益は、毎年20億円以内の範囲となるよう複数年売却などでコントロールしているが、今回は物流事業で減益を見込んでいることもあり、一括売却する予定となっている。
なお、2017年についても稼働中の物流施設(横浜長津田や千曲、新杉田、所沢など)から選択し売却を予定しているほか、開発案件としては横浜金沢(1.5万坪)、大阪南港(1.5万坪)のセンターが竣工する予定となっている。
1万坪当たりの年換算売上高は1,500~2,000百万円程度とみられ、これら2件の物流センター稼働によって3PL事業の売上高は4,000~5,400百万円拡大する計算となる。
○その他事業 その他事業の売上高は前期比5.7%増の6,300百万円、営業利益は同26.1%増の300百万円を見込んでいる。
前期に減収減益となった人材事業については、採用難という環境が続いているものの、前期に新規開設した関西拠点の拡張を進めることなどにより、今期は売上高で6.7%増の4,200百万円、営業利益で同25.0%増の160百万円を見込んでいる。
また、太陽光発電事業については発電量力の拡大に伴い、売上高で前期比12.4%増の400百万円、営業利益で同31.6%増の100百万円を見込む。
なお、太陽光発電事業については買取価格の引き下げが進んでいるため、今後の能力増強計画に関しては収益性を見ながらの判断となるが、既存設備に関しては買取価格は変わらないため、減価償却が進む3年後には営業利益率で50%の水準になる見通しとなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
TranspoleやAtlasが連結子会社から外れることにより、売上高で約170億円の減収、営業利益で3.5億円の増益要因となるが、国内事業に関しては不動産事業の拡大により増収増益基調が続く見通しだ。
事業セグメント別の見通しは以下のとおりとなる。
○物流事業 物流事業の売上高は前期比10.6%減の128,200百万円、営業利益は同42.1%減の1,200百万円を見込む。
Transpole、Atlas以外の事業で見れば、売上高は1~2%程度の増収、営業利益は50%程度の減益となる計算だ。
売上高については、今上期に6拠点、トータル面積で5万坪の物流センターを開設する予定となっており、計画の達成は十分可能とみられる。
3PL事業についても新規開設の効果により、同6.4%増の545億円と拡大基調が続く。
営業利益で減益を見込んでいるのは、新規開設する物流センターを安定稼働させるまでの人件費増を見込んでいるため。
物流センターの立ち上げ期は生産性が低くなるが、当期は過去最大規模の立ち上げを行うことから、その影響度も大きくなる。
一方で、増益要因としては海外事業で3.5億円、国内赤字事業(主にCD・DVD物流事業)の改善で5億円が見込まれている。
CD・DVD物流事業については前期にソフト卸大手の(株)星光堂から物流業務を受託し、2015年9月に拠点の移管を完了。
前期は費用が先行する格好となったが、今期は若干の黒字となる見通しだ。
このため、営業利益でも保守的な計画になっているものと弊社では見ている。
今期の売上高営業利益率は0.9%の水準に低下するが、2017年12月期には立ち上げ費用が一巡すること、付加価値の高い3PL事業の売上構成比が上昇することなどから、2%超の利益率に回復することが予想される。
なお、海外物流のうちシンガポール、香港、タイ、ベトナム、フィリピンでの事業については継続して行っていくことになる。
年間売上高は8億円と小さいが、今後の経済成長が見込めることから、現地企業とのアライアンスなどを進めながら事業を拡大していく考えだ。
このうち、ベトナムについては現地大手流通グループ企業と提携し、低温物流の事業化に関するフィージビリティスタディを行っている段階で、順調に進めば今後、合弁会社などを設立して本格的に物流事業を展開していく可能性がある。
○不動産事業 不動産事業の売上高は前期比21.5%増の10,500百万円、営業利益は同42.8%増の4,700百万円となる見通し。
賃貸事業では物流センターの開設が上期に相次ぐこともあって、売上高で前期比19.2%増の3,200百万円、営業利益で同16.1%増の1,600百万円を見込んでいる。
また、開発事業では今下期に川越物流センター(1.2万坪)の売却を予定しており、売上高で前期比22.6%増の7,300百万円、営業利益で同62.0%増の3,100百万円を見込んでいる。
川越物流センターについては現在フル稼働の状況となっていることから、計画どおりに売却できるものと思われる。
従来、物流施設の売却による営業利益は、毎年20億円以内の範囲となるよう複数年売却などでコントロールしているが、今回は物流事業で減益を見込んでいることもあり、一括売却する予定となっている。
なお、2017年についても稼働中の物流施設(横浜長津田や千曲、新杉田、所沢など)から選択し売却を予定しているほか、開発案件としては横浜金沢(1.5万坪)、大阪南港(1.5万坪)のセンターが竣工する予定となっている。
1万坪当たりの年換算売上高は1,500~2,000百万円程度とみられ、これら2件の物流センター稼働によって3PL事業の売上高は4,000~5,400百万円拡大する計算となる。
○その他事業 その他事業の売上高は前期比5.7%増の6,300百万円、営業利益は同26.1%増の300百万円を見込んでいる。
前期に減収減益となった人材事業については、採用難という環境が続いているものの、前期に新規開設した関西拠点の拡張を進めることなどにより、今期は売上高で6.7%増の4,200百万円、営業利益で同25.0%増の160百万円を見込んでいる。
また、太陽光発電事業については発電量力の拡大に伴い、売上高で前期比12.4%増の400百万円、営業利益で同31.6%増の100百万円を見込む。
なお、太陽光発電事業については買取価格の引き下げが進んでいるため、今後の能力増強計画に関しては収益性を見ながらの判断となるが、既存設備に関しては買取価格は変わらないため、減価償却が進む3年後には営業利益率で50%の水準になる見通しとなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)