[28日 ロイター] - ウクライナのベレシュチュク副首相は27日、ロシアが占拠したチェルノブイリ原子力発電所の周辺で「無責任」な行動を取っており、欧州の幅広い地域に放射線が拡散する恐れがあると非難し、国連にリスク評価のための代表団派遣を求めた。
同副首相は、ロシア軍が原発周辺の立ち入り禁止区域を「軍事化」していると指摘。古い整備不良の兵器を大量に運んでおり、1986年に事故を起こした4号炉の周囲に建設された格納容器が破損する危険性があると訴えた。
ベレシュチュク氏は対話アプリ「テレグラム」で、格納容器が破損すれば「ウクライナだけでなく、欧州の他の国々にも相当量の放射性物質が放出されることは必至」だとした。
また、ロシア軍の妨害により、立ち入り禁止区域で起きている多数の火災の消火活動ができない状態だと述べた。
ロイターは、ロシアが原発付近に兵器を搬送し続けているというベレシュチュク氏の主張を現地で確認できていない。
ロシアはこれまで、自国の軍隊がウクライナ国内の核施設を危険にさらしていることを否定している。
一方、チェルノブイリ原発職員が住むスラブチチ市のフォミチェフ市長は28日、同市を週末に占拠していたロシア軍がその後、市内から撤退したと明らかにした。
オンライン動画で、ロシア軍が町の現場調査という目的を終えて去ったと述べた。市長は当初、衝突で3人の死者が出たとしていた。