Noriyuki Hirata
[東京 5日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比449円13銭安の3万2782円14銭と続落した。米ハイテク株安を嫌気して利益確定売りが優勢となり、一時500円安に下げ幅を拡大した。心理的節目の3万3000円を約3週間ぶりに割り込んだ。 日経平均は208円安で寄り付いた後、短時間で3万3000円を割り込み、一時504円安の3万2726円68銭へと下げ幅を拡大した。先物主導の下げとみられ、指数寄与度の高い銘柄群が総じて軟調だった。 ファーストリテイリングや東京エレクトロン、アドバンテストの3銘柄で250円程度、日経平均を押し下げた。TOPIXバリュー指数の0.43%安に対し、同グロース指数は1.0%安となり、相対的にグロースが弱さが目立った。米国市場では金利が上昇する中、ハイテク株比率の高いナスダック総合や米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)が下落していた。 市場では「イベント待ちの中で高値警戒もあり、利益確定売りが優勢となった。為替の方向感もはっきりせず、買いの動きが鈍っている」(岩井コスモ証券の林卓郎投資情報センター長)との声が聞かれた。 一方、日経平均は3万2800円付近を通る25日移動平均線が目先の攻防ラインとみられており「終値で踏みとどまるようなら、年末高の機運も回復してくるのではないか」(林氏)という。 TOPIXは0.71%安の2345.80ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は1兆7407億7700万円だった。東証33業種では、値上がりは陸運やゴム製品、食料品など9業種で、値下がりは電気機器や精密機器、機械など24業種だった。 信越化学工業やTDKは軟調。ソフトバンクグループはさえない。一方、さくらインターネットは一時ストップ高となり、年初来高値を更新した。米半導体大手エヌビディアの最高経営責任者(CEO)による同社との提携の意向が伝わり、材料視された。このほか、キッコーマンは堅調だった。 東証プライム市場の騰落数は、値上がりが453銘柄(27%)、値下がりは1170銘柄(70%)、変わらずは35銘柄(2%)だった。