■事業概要
タナベ経営 (T:9644)の事業セグメントは、経営コンサルティング事業、SPコンサルティング事業の2つの事業セグメントで開示している。
2016年3月期の売上構成比を見ると、経営コンサルティング事業が54.2%、SPコンサルティング事業が45.8%とほぼ拮抗した格好となっている。
コンサルティング会社の種類としては、経営全般に関するコンサルティングを行う「総合型」、ITや財務、生産など機能ごとに専門化したコンサルティングを行う「機能特化型」、また、医療分野など専門的な知識などが求められる「業界特化型」、調査分析を専門に行う「シンクタンク」の大きく4種類に分類される。
同社はこのうち総合型のコンサルティング事業を展開しており、「ファーストコールカンパニー 100年先も一番に選ばれる会社 」の創造を経営ミッションとして、各種コンサルティングサービスを展開している。
(1)経営コンサルティング事業
経営コンサルティング事業の売上高はサービス内容によって、チームコンサルティング型経営協力、人材育成・教育、セミナー(社長教室、ファーストコールカンパニーフォーラム、後継経営者スクール等)、各種会(戦略ドメイン&マネジメント研究会、ファーストコールカンパニー(FCC) トップ会)、アライアンス(提携)&会員に分かれている。
同事業売上高の5割強はチームコンサルティング型経営協力で占められており、セミナーや戦略ドメイン&マネジメント研究会については、チームコンサルティング型経営協力サービスにつなげる役割も果たしている。
その他、各種コンサルティングサービスを企画・プロデュースしたり、コンサルティング現場で生まれる臨床研究・ナレッジを集約し、FCC REVIEW(会員向け経営研究誌)・FCCマネジメントレター(会員向けメールマガジン)等により、企業・社会へ発信・還元を行う戦略総合研究所も同事業セグメントに含まれる。
同社ではこれらサービスの中で契約期間が半年以上となるコンサルティングサービスを提供している顧客を「ロイヤルカスタマー」と位置付け、その社数・売上高をKPIに設定している。
2017年3月期第2四半期末時点のロイヤルカスタマー数は1,333社(前年同期比183社増)と順調に拡大している。
内訳を見ると、2011年よりサービスを開始した戦略ドメイン&マネジメント研究会が大きく伸びていることがわかる。
サービス単価が安価なため、売上高への貢献という点では軽微であるものの、同研究会の参加を通じてチームコンサルティング型経営協力の契約に結び付くケースも増えてきており、導線としての役割が大きい。
また、ロイヤルカスタマーの月平均売上高についても、2017年3月期第2四半期累計期間では278百万円と着実に増加している。
同社の業績は2011年3月期以降、増収増益基調が続いているが、こうしたロイヤルカスタマーの拡大戦略が持続的成長に大きく貢献していると考えられる。
なお、アライアンス(提携) &会員部門のうち、アライアンス先は地域金融機関を中心に2017年3月期第2四半期末時点で148先となっている。
主に金融機関向けの支店長研修を中心とした階層別研修サービスのほか、その顧客企業の後継経営者向け勉強会である「経営塾」に同社のコンサルタントが講師として出向き、同サービスを通じてチームコンサルティング型経営協力サービスの契約に結び付けていく戦略となっている。
また、各種経営情報等を有料で提供する会員サービスも運営しており、自社の直接会員とアライアンス先の間接会員を合わせて、会員数は2016年9月末で約1万社となっている。
(2) SPコンサルティング事業
SPコンサルティング事業は、顧客企業に対する販売促進計画の企画・推進を行うSPコンサルティング、同社デザイナーが独自性のあるノベルティ商品やOEM商品の企画・開発を行うSPデザインツールのほか、SPツール(販促商品)の販売、BD(ビジネス手帳・カレンダー)の卸売販売などで構成される。
中でも、高付加価値・高利益率であるSPコンサルティングとSPデザインツールを推進していく方針である。
顧客層は中小企業から大企業まで幅広く、約3,500社となっている。
具体的には、顧客企業に対するマーケティングや商品ブランディング、エンドユーザーへのヒアリング会の企画・実施による商品開発支援から、店舗や売り先での販売促進支援まで行っている。
最近では、特に「こども・子育てファミリーマーケット」をターゲットとしたコンサルティングにも注力しており、未来の顧客として期待できる同マーケットの可能性とCSRの観点から、顧客企業のニーズも大きい。
また、経営コンサルティング事業との連携も進んできており、顧客企業の事業戦略や組織戦略については経営コンサルタントが支援し、商品の海外販路開拓支援はSPコンサルタントが請け負うという事例も出てきている。
経営コンサルティングを主力としながら、デザイン機能・物販機能を備えるSPコンサルティングにも対応できる点は、他のコンサルティング企業にはない同社の強みとなっている。
なお、SPコンサルティング事業に関しては、約3割の構成比を占めるBDの販売が第3四半期に集中するため、四半期ベースの収益トレンドとしては例年、第3四半期がピークとなる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
タナベ経営 (T:9644)の事業セグメントは、経営コンサルティング事業、SPコンサルティング事業の2つの事業セグメントで開示している。
2016年3月期の売上構成比を見ると、経営コンサルティング事業が54.2%、SPコンサルティング事業が45.8%とほぼ拮抗した格好となっている。
コンサルティング会社の種類としては、経営全般に関するコンサルティングを行う「総合型」、ITや財務、生産など機能ごとに専門化したコンサルティングを行う「機能特化型」、また、医療分野など専門的な知識などが求められる「業界特化型」、調査分析を専門に行う「シンクタンク」の大きく4種類に分類される。
同社はこのうち総合型のコンサルティング事業を展開しており、「ファーストコールカンパニー 100年先も一番に選ばれる会社 」の創造を経営ミッションとして、各種コンサルティングサービスを展開している。
(1)経営コンサルティング事業
経営コンサルティング事業の売上高はサービス内容によって、チームコンサルティング型経営協力、人材育成・教育、セミナー(社長教室、ファーストコールカンパニーフォーラム、後継経営者スクール等)、各種会(戦略ドメイン&マネジメント研究会、ファーストコールカンパニー(FCC) トップ会)、アライアンス(提携)&会員に分かれている。
同事業売上高の5割強はチームコンサルティング型経営協力で占められており、セミナーや戦略ドメイン&マネジメント研究会については、チームコンサルティング型経営協力サービスにつなげる役割も果たしている。
その他、各種コンサルティングサービスを企画・プロデュースしたり、コンサルティング現場で生まれる臨床研究・ナレッジを集約し、FCC REVIEW(会員向け経営研究誌)・FCCマネジメントレター(会員向けメールマガジン)等により、企業・社会へ発信・還元を行う戦略総合研究所も同事業セグメントに含まれる。
同社ではこれらサービスの中で契約期間が半年以上となるコンサルティングサービスを提供している顧客を「ロイヤルカスタマー」と位置付け、その社数・売上高をKPIに設定している。
2017年3月期第2四半期末時点のロイヤルカスタマー数は1,333社(前年同期比183社増)と順調に拡大している。
内訳を見ると、2011年よりサービスを開始した戦略ドメイン&マネジメント研究会が大きく伸びていることがわかる。
サービス単価が安価なため、売上高への貢献という点では軽微であるものの、同研究会の参加を通じてチームコンサルティング型経営協力の契約に結び付くケースも増えてきており、導線としての役割が大きい。
また、ロイヤルカスタマーの月平均売上高についても、2017年3月期第2四半期累計期間では278百万円と着実に増加している。
同社の業績は2011年3月期以降、増収増益基調が続いているが、こうしたロイヤルカスタマーの拡大戦略が持続的成長に大きく貢献していると考えられる。
なお、アライアンス(提携) &会員部門のうち、アライアンス先は地域金融機関を中心に2017年3月期第2四半期末時点で148先となっている。
主に金融機関向けの支店長研修を中心とした階層別研修サービスのほか、その顧客企業の後継経営者向け勉強会である「経営塾」に同社のコンサルタントが講師として出向き、同サービスを通じてチームコンサルティング型経営協力サービスの契約に結び付けていく戦略となっている。
また、各種経営情報等を有料で提供する会員サービスも運営しており、自社の直接会員とアライアンス先の間接会員を合わせて、会員数は2016年9月末で約1万社となっている。
(2) SPコンサルティング事業
SPコンサルティング事業は、顧客企業に対する販売促進計画の企画・推進を行うSPコンサルティング、同社デザイナーが独自性のあるノベルティ商品やOEM商品の企画・開発を行うSPデザインツールのほか、SPツール(販促商品)の販売、BD(ビジネス手帳・カレンダー)の卸売販売などで構成される。
中でも、高付加価値・高利益率であるSPコンサルティングとSPデザインツールを推進していく方針である。
顧客層は中小企業から大企業まで幅広く、約3,500社となっている。
具体的には、顧客企業に対するマーケティングや商品ブランディング、エンドユーザーへのヒアリング会の企画・実施による商品開発支援から、店舗や売り先での販売促進支援まで行っている。
最近では、特に「こども・子育てファミリーマーケット」をターゲットとしたコンサルティングにも注力しており、未来の顧客として期待できる同マーケットの可能性とCSRの観点から、顧客企業のニーズも大きい。
また、経営コンサルティング事業との連携も進んできており、顧客企業の事業戦略や組織戦略については経営コンサルタントが支援し、商品の海外販路開拓支援はSPコンサルタントが請け負うという事例も出てきている。
経営コンサルティングを主力としながら、デザイン機能・物販機能を備えるSPコンサルティングにも対応できる点は、他のコンサルティング企業にはない同社の強みとなっている。
なお、SPコンサルティング事業に関しては、約3割の構成比を占めるBDの販売が第3四半期に集中するため、四半期ベースの収益トレンドとしては例年、第3四半期がピークとなる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)