[パリ 24日 ロイター] - 仏自動車大手のルノーのルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)は24日、ロシアからの撤退は「非常に複雑な状況」を生み出し、再建に取り組む同社の利益と売上高への打撃となると述べた。
同社はロシアのウクライナ軍事侵攻を受けてロシア事業の選択肢を検討しているが、社内ビデオで従業員の安全を最優先すると表明している。
23日に営業利益とキャッシュフローの見通しを下方修正し、ロシアでの事業を停止した場合の潜在的コストを反映させるため、22億ユーロ(24億2000万ドル)の評価減計上を検討していると明らかにした。
同社は電気自動車(EV)へのシフトに伴い、競争力を高めるための事業再構築の初期段階にある。2月には3年ぶりの年間黒字を計上し、今年の営業利益率を3%以上の水準に改善させることを目指すと発表した。
ロシアに最も大きなエクスポージャーを持つ世界的な自動車メーカーであるルノーは、他の多くの欧米企業よりも失うものが大きい。過去1カ月間で同社の時価総額は40%下落した。
ロシア政府は24日、ルノーのモスクワ工場の今後について協議中で、来週末までに決定する予定だと発表。ロシア政府が欧米資産をどのように扱う方針かが明らかになる可能性がある。
マクロン仏大統領はルノーの決断を尊重すると述べ、企業が制裁の打撃を受けていないのであれば、ロシアにとどまる選択肢もあると述べている。