[東京 12日 ロイター] - 日銀が12日発表した11月の企業物価指数(CGPI)速報によると、国内企業物価指数は前年比9.3%上昇した。指数の118.5は、統計開始の1960年1月以降で最高水準。電力・ガスをはじめ、幅広い品目で過去の原材料コスト上昇を価格転嫁する動きがみられた。前月比ではプラス0.6%だった。
前年比での上昇は21カ月連続。上げ幅は前月の9.4%からわずかに縮小したものの、高い伸びが続いている。ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値プラス8.9%も上回った。
類別では電力・都市ガス・水道が前年比49.7%上昇し、押し上げに最も影響した。事業用電力や都市ガスが、6─8月期の燃料費上昇を受けて値上がりした。電力は一部電力会社による基本料金の値上げも影響した。このほか鉄鋼が同20.9%、飲食料品が7.2%それぞれ上昇した。
全515品目中、前年比で上昇したのは438品目、下落は62品目。
日銀の担当者は、価格改定が多かった10月に比べると落ち着いているものの「既往の原材料コスト上昇を転嫁する動きが幅広くみられた」と説明。国際商品市況や為替変動を受けた輸入物価の動向、輸入材を中心としたコスト上昇分の転嫁の動きを引き続き注視していくと述べた。
同時に発表された輸入物価指数は、円ベースで前年比プラス28.2%で、21カ月連続プラスとなった。伸び率は前月の42.3%から大きく縮小した。
*日銀の発表資料は以下のURLでご覧になれます。
(杉山健太郎 編集:田中志保)