伸び悩みか、米金融政策と10年国債入札を見極める展開/牛熊週間債券相場 2018年01月26日(金曜日)−株式会社フィスコ 担当 小瀬 正毅 問合せ先:03-5774-2444 newsadmin@fisco.co.jp
今週の主な日程
・1月29日(月) ・米:12月コアPCE
・1月30日(火) ・日:12月失業率 ・米:トランプ大統領の一般教書演説 ・欧:10-12月期ユーロ圏域内総生産(速報値)
・1月31日(水) ・日:12月鉱工業生産 ・米:連邦公開市場委員会(FOMC)会合 ・欧:1月ユーロ圏消費者物価指数速報
・2月1日(木) ・日:10年国債入札 ・米:1月ISM製造業景況指数
・2月2日(金) ・米・1月雇用統計
牛熊週間債券相場
今週の動き
「債券相場はもみ合い、円高進行は特に意識されず」
今週の債券相場はもみ合い。超長期債の需給改善を意識して25日に行われた20年国債入 札は無難な結果となったが、債券先物はやや伸び悩んだ。ムニューシン米財務長官が「ド ル安は貿易にとって良いこと」との見方を示しており、ドル・円相場は円高方向に振れた が、債券市場では特に意識されなかった。
25日に行われた20年国債入札では最低落札価格が100円10銭、平均落札価格は100円14 銭、応札倍率は4.17倍となった。最低落札価格は市場予想と一致し、無難な入札結果とな った。債券先物は150円30銭台で推移し、やや上げ渋った。
債券先物は150円39銭で取引を開始し、24日に150円57銭まで買われたが、その後は伸び 悩み。日本銀行は23日、金融政策の現状維持を賛成多数で決定したが、債券市場では想定 内の結果だったことから、目立った反応は確認されなかった。
25日に行われた20年国債入札は無難な結果になったものの、債券先物は一時150円26銭ま で下落した。26日の取引で150円46銭まで戻したが、150円42銭でこの週の取引を終えた。1 0年債利回りは下げ渋った。超長期債などの需給改善が意識されたが、一時0.09%近辺まで 上昇し、0.08%近辺で取引終了。20年債利回りは0.605%近辺から一時0.58%近辺まで低下 し、0.585%近辺で取引を終えた。
来週の予想
「伸び悩みか、米金融政策と10年国債入札を見極める展開」
来週の債券相場は伸び悩みか。米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合結果と2月1日に行 われる10年国債の入札結果を見極める展開となる。米FOMC会合では金融政策の現状維持が 決定される見込みだが、3月利上げの可能性について声明で言及した場合、米長期債利回り はやや上昇し、この影響で債券先物は弱含みとなる可能性がある。
10年国債入札が順調な結果となった場合、債券先物は底堅い動きとなりそうだが、入札 が低調な結果となった場合、既発の10年債利回りは0.1%に接近すると予想される。この局 面では日本銀行による指値オペが通知されるとの見方が多いものの、長期債の利回り水準 は0.07%近辺が下限となり、下げ渋る状態が続く可能性がある。
債券先物は150円台前半で推移か。10年国債入札が無事終了すれば、債券先物は150円20 銭近辺で下げ渋る展開となりそうだが、欧米諸国の長期金利上昇や国内外の株式市場が堅 調に推移した場合、債券先物は節目の150円近辺まで下落する可能性は残されている。
・予想レンジ ・債券先物3月限:150円00銭-150円40銭 ・10年債利回り:0.06%-0.10% 《MK》