【マーケットコメント】 -ドル円上昇の鍵は、実態の伴った期待の台頭
現在のUSD/JPYは米早期利上げ期待が過度に強まったことを背景に、ドル買いと同時に円売りも進行し(=直近のシカゴIMM通貨先物市場では、円ショートが2.2万枚から6万枚超へ増加)、約12年半ぶりの高値水準まで急伸している。
先週のG7会合では、日本以外目立ったけん制発言は見られず(=とりあえず米国サイドは黙認)、現在のトレンドフォローの継続を背景に、目先125円台を目指す可能性は意識しておきたい。
この流れに水を差すならば、やはり米指標データだろう。イエレンFRBは、予てより将来の金融政策の方向性は指標データ次第であるとのスタンス(Data Dependency)を鮮明にしている。よって、本日以降の重要指標データが総じて市場予想以下となれば、先月22日より強まった米早期利上げへの過度の期待、つまり実態の伴っていない期待が後退することで、一転ドル売り圧力が強まる可能性がある。
ただ、目下のところ「ドル安=株高&クロス円上昇」というトレンドが形成されていることもあり、USD/JPYで調整色が強まっても、120円台は維持すると現時点では想定している。
逆に実態の伴った期待、つまり堅調な指標データを背景とした米ファンダメンタルズの改善期待が強まれば、上記の通り125円越えの展開もあり得るだろう。