昨日のコメントで述べた通り、ドルロング調整地合いは資源国通貨に対しても発生すると筆者は想定していた。しかし、突然の人民元切り下げでこの点に関しては、修正を余儀なくされる可能性が出てきた。
本日、資源国通貨のトレンドを左右するのは、日本時間14時30分に発表される中国の7月指標データ(小売売上高 / 鉱工業生産)となろう。中国リスクが意識される中、総じて冴えない内容となれば、AUD/USDはサポートポイント0.7250、NZD/USDは節目の0.6500そしてUSD/CADは1.3200をそれぞれ突破する展開が想定される。ドルストレートでドル高圧力が強まれば、クロス円(AUD/JPY、NZD/JPY、CAD/JPY)を中心に円相場は円高優勢の展開となろう。昨日の海外株式市場が総崩れとなった点も考えるならば、日経平均も軟調地合いが想定される。「ドル高+株安」が同時に発生すれば、これまで進行した円安の利益を確定する動きが加速しよう。そそのような展開となれば、USD/JPYもクロス円の下落と株安を背景に日足の一目/転換線(今日現在124.37レベル)をトライする展開が想定される。
逆に、指標データが中国の景気減速懸念を一時的にせよ後退させる内容となれば、資源国通貨を中心にドルロング調整地合いが想定される。この場合、クロス円は上値トライの展開となろう。USD/JPYのトレンドは株価動向次第となろう。
【テクニカル分析コメント】- USD/JPY、焦点は転換線での攻防
レジスタンス
126.00:厚いオファー、オプションバリア
25.90:厚いオファー
125.85:年初来高値
125.50:オファー
125.21:本日東京時間高値
サポート
124.50:ビッド
125.00:短期サポートライン、リトレースメント23.60%
124.37:一目/転換線(黄ライン) 、リトレースメント76.40%
124.30:ビッド
124.17:21日MA(青ライン)
昨日は125.20レベルまで上昇。このレベルに観測されていたオファーとボリンジャー上限により見事に上値がレジストされた後は、125円前半で上値の重い状況が継続し、年初来高値を一気にトライするムードは感じられない。目先は調整による反落を想定したい。
テクニカル面での焦点は短期サポートライン(1時間足)での攻防だろう。このラインブレイクは、さらなるドルロング調整シグナルと捉え、各リトレースメントでの攻防を注視したい。
特に注目すべきはリトレースメント76.40%・124.37レベルでの攻防だろう。このテクニカルが推移している水準には、8月以降、相場をサポートしている日足の一目/転換線がクロスしている。すぐ下の124.30レベルにビッドが観測されていることも考えるならば、124円台維持の重要ポイントと認識しておきたい。
一方、上値の焦点は ボリンジャーバンド上限(MA21 σ2.5)突破が焦点となろう。今日現在125.35前後で推移している。このテクニカルを突破した場合、オファーが観測されている125.50が次の上値ターゲットとして意識されよう。
1時間足チャート
日足チャート