注目の雇用統計は、失業率は事前予想より悪かったものの、非農業部門の雇用者数、賃金上昇率などは事前予想を上回り、総じて雇用市場は良い状況と判断されました。
通常は、ドルが買われる展開になるはずですが、ドル高は進まず逆にドル安・円高の方向に動いています。
その中で、NY金相場は下落に転じ、下値は一目均衡表の雲が意識されています。
東京金は、円高も合わさって大きな下落になりました。
ドル高にはふれず、金だけが下がったのはなぜでしょうか?
私は、地合の違いが原因にあると見ています。
こちらは、NY金の大口投機筋(ファンド)のポジション推移を表しています。
かねてよりお伝えしておりますが、NY金の投機筋の買いポジションが積み上がっており、買いの整理が入りやすい状況で雇用統計を迎えました。
強い雇用統計を受けて、NY金は下落しています。
これは買いの整理が進んだためでしょう。
今週末発表の数字では、買いが減っていることでしょう。
一方で、CFTCのドル売りは偏りはあまり見られませんでした。
そのためドル高に反応せず、金だけが下がったのだろうと見ています。
今後の金相場展望と投資戦略
それでは今後のNY金相場はどうなるのでしょうか?
目先は、一目均衡表の雲が意識されて反発し、東京金は50円~100円上昇する可能性があります。
ただし、投機筋の買いポジションはまだ積み上がったままで、一旦整理売りが始まるとしばらく続くことが多く、上値を抑制するでしょう。
投資戦略としては、戻り売り戦略が良いと思います。
それでは、軟調な展開はいつまで続くでしょうか?
私は、6月のFOMCまでズルズルと軟調な相場が続くと見ています。
これからは、やはり米国の利上げを巡る要人の発言に引き続き注目です。
年初からの中国発の金融不安の影響で、FRBは年4回の利上げ予定から2回に変更し、金市場は上昇しました。
しかし、ここにきて強い雇用情勢が見られ、今後のFOMCの動向に注目が集まります。
4月はないまでも、6月の利上げはあり得ます。
これからの要人発言スケジュールをご覧ください。
赤字は、FOMCの投票権を持つ人物の発言予定です。
本日、早速ボルトン連銀総裁の講演がありますが、特に注目は4/8のイエレン現議長とバーナンキ前FRB議長、グリーンスパン元FRB議長の討論会です。FRB議長を務めた経験者が集い、それぞれが何を発言するのか、注目です。
<結論>
私の金相場展望は、NY金の買いポジションの整理売りで金は6月まで軟調な相場が続く、
投資戦略は、一目均衡表の雲を意識してリバウンドしたところを戻り売り。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。
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