目先注視すべきは、本日21時30分に発表される4月の米雇用統計だろう。非農業部門雇用者数変化の予想値は前月比23万人、失業率のそれは5.4%。市場予想を若干上回る程度ならば、ドルショートカバーは限定的となろう。一方、前者が30万人近く、後者が連邦公開市場委員会(FOMC)の長期的失業率予想5.0%へ向け低下し、且つ賃金の持続的な上昇傾向も確認されれば、6月or 9月の利上げ観測が再台頭し、ドル高回帰の起爆剤となる可能性があろう。
逆に総じて市場予想以下となれば、1-3月期の米景気減速が特殊要因のみに起因しているわけではない、との観測が強まることでドル安継続となろう。
注目の通貨ペアはEUR/USD。独金利上昇に一服感が出始めているタイミングで強い雇用統計となれば、下記「テクニカル分析コメント」で指摘しているサポートポイントを視野に、これまでの反動からユーロ安/ドル高が急速に進行する可能性がある。
円相場ではUSD/JPYが5日高値120.51レベルをトライする展開となる一方、クロス円はドルストレートでのドル高の影響を受け下値を模索する展開が想定される。
「強い雇用統計→米早期利上げ懸念の台頭→欧米株式急落」の展開となれば、クロス円での円高がUSD/JPYの上値を抑える展開も想定される。
【テクニカル分析コメント】-EUR/USD、本日は下値模索をを想定
レジスタンス
1.1400:厚いオファー
1.1392:5/7高値
サポート
1.1186;:リトレースメント23.60%
1.1180:ビッド
1.1154:10日MA (赤ライン)
1.1150:ビッド
1.1071:一目/雲の上限
1.1059:リトレースメント38.20%
1.1050:サポートポイント
厚いオファーが観測されている1.1400レベルの突破に失敗。RSIも70.00以下の水準へ低下した点を鑑みるに、本日は直近のユーロ高トレンドが一服する可能性を意識したい。
想定通り下値トライとなった場合、目先の焦点は10日MAでの攻防だろう。このMA下にはビッドも観測されている。
ただ、上述した4月の米雇用統計が強い内容となれば、1.10台の攻防へシフトする可能性が高まろう。その場合のサポートポイントは、レジスタンス及びサポートとして意識された1.1050レベル、そして節目の1.1000となろう。
逆に上記の思惑が外れ1.14台の攻防へシフトした場合は、1.1450レベルをトライを想定したい。尚、このレベルは2月中旬以降、相場をレジストし続けた重要ポイントである。同時に厚いオファーも観測されている。
1時間足チャート
日足チャート