
米ドルはこの先上昇を続けるだろうか?先週ドル円(USD/JPY)は経済指標のファンダメンタルに反し、7週間の高値をつけた。しかし、ドルは他の主要通貨に対してはさほど上昇していない。
ユーロ、 ポンド、豪ドル、カナダドルは回復を続けている。一方、金曜日の米国小売売上高の発表の後で 米ドルは緩やかに上昇している。この小売売上高は予想を下回ったが、ドルの動きにはさほど反映されず一部の投資家を混乱させているだろう。連邦準備制度理事会は貿易問題を懸念しているが、米ドルの強気はまだ終わってない。
また、先週はじめの上昇の後でユーロドル(EUR/USD)や豪ドル米ドル(AUD/USD)などの主要通貨ペアは抵抗ラインに拒まれ、深い調整にはいっている。
米ドルが先週なぜファンダメンタルに反していたかの主な理由(弱い小売売上高というファンダメンタルに対しドルは影響されなかったこと)は、連邦準備制度理事会(FRB)が今月 金利を引き続き上げる見通しだからだ。また、金曜日に発言した金融政策関係者は皆、さらなる金融引き締めの必要性を語っていた。FOMCのメンバーや、ハト派の ラエル・ブレイナードFRB理事でさえ、FRBは長期的な中立金利よりも、利上げを推奨している。米シカゴ地区連銀エバンズ総裁は、米国経済や労働市場はとても強くインフレが2%以上になってもおかしくないと思っており、2019年に4回の利上げは理にかなっていると考えている。 米ダラス連銀ロバート・カプラン総裁もまた米国消費は強いという考えに同意している。
これらのタカ派のコメントによって金曜日、10年債利回りは3%に上昇した。そして、USD/JPYでも112円を超え日次高値をつけた。しかし、消費者物価指数が鈍化している中、6ヶ月ぶりの小売売上高の低下と、18ヶ月ぶりの生産者物価指数の減少は無視できないだろう。今週はアメリカの主な経済指標もなく、先週末に見せた米ドルの強さは続くと考えられる。特にユーロ、 豪ドル、 カナダドル、NZドルに対してである。
一方、円とスイスフランは、ファンダメンタルに敏感であり金融政策会議の結果によって大きく動くだろう。いずれの中央銀行も大きな発表はないとされているが、日本銀行はステルステーパリングを行っており、投資家はこれらに関するコメントを注意深く見守っている。また、スイス国立銀行(SNB)によるスイスフランに関しての発言も最も重要になるだろう。過去4回の会合でフランは「非常に高い」と述べ、現在ユーロに対して14ヶ月ぶりに最も高い水準で取引されている。もし、SNBがフランに対し「大幅に過大評価されている」と述べれば、EUR/CHFとUSD / CHFの急回復が見られると予想される。
EUR/USDは欧州中央銀行の金融政策発表に続いて1.1721の高値をつけた後、下降トレンドに傾いてきている。これは欧州中央銀行(ECB)は金利をそのままに今年と来年の成長見通しを下方修正し、保護貿易主義の台頭や新興国市場の脆弱性について懸念していることを明かしたために下落している。しかし、ECBはインフレについて懸念をしていないため、EUR/USDは金利政策に注目している。国内コスト圧力とユーロ安のおかげにより、インフレは年末に向かって上昇し中期的に徐々にあがる見通しだ。結果的に、ECBは経済リスクについて「おおむね均衡」と語っている。
ドラギECB総裁は プレスコンファレンスで最近のドイツとイタリアの弱い経済指標や、他ユーロ圏の鉱工業生産指数や貿易収支の結果が悪かったことについて触れなかった。しかし、ユーロ圏 7月の貿易黒字が4年ぶりの最低水準まで縮小したことは無視できないだろう。よって、来週の経済指標はかなり重要になる。もしCPI やPMIの結果が悪ければ、EUR/USDは1.15まで下落するだろう。しかし、PMIによって経済はいまだ明るい見通しを示すのならば、EUR/USDは1.17まで戻るだろう。
一方、ポンドは、ユーロや米ドルより良いパフォーマンスを続けるだろう。ユーロ圏とは違って、イギリスの経済指標は、貿易赤字の縮小や賃金の上昇により好調だった。イングランド銀行は、予想通り金利の据え置きが決定されたが、来年エネルギー料金上限規制によってインフレが緩和される予想をしている。しかし、堅調な労働市場によって消費は強いと考えられている。中央銀行によって金融引き締めが現在必要とされているが、将来的な利上げは限定的で段階的なものになるだろう。
また、EU離脱合意は上手く行っているが、アイルランド国境問題はいまだ大きな問題である。デービス英EU離脱担当相は合意に向かっているが、EUはこの問題により離脱合意の進展を止めるだろうとしている。
EU離脱のニュースやイギリスの経済指標はポンドに注目を集めている。今週は消費者物価指数(CPI)と小売売上高の発表も控えている。製造業やサービスセクターの物価上昇により、消費者物価指数は強い結果が得られると考えられている。また小売売上高は、強い賃金の指標によって上昇すると考えられる。しかし、先月の小売売上高は大幅に上昇したので、多少のスローダウンをする可能性もある。
豪ドル とNZドルは先週、2年ぶりの安値を打ったが、どちらの通貨も強い経済指標を受けて反発している。
オーストラリアでは8月に4万4000の雇用を創出(これらのほとんどはフルタイムの雇用)し、雇用と経済が回復している。米中間の貿易戦争が緩和に向かっている背景の中で、オーストラリア経済はとても良い状態である。
ニュージーランドでは、製造業が4ヶ月ぶりに上昇している。オーストラリアは主要な経済指標の発表はないが、ニュージランドでは第2四半期 GDPの発表が控えている。乳製品価格は下がってしまったが、強い小売売上高と貿易収支によって第2四半期のGDPは好調であることが予想される。
米中は貿易再交渉に向かっているがさらなる追加関税の脅威があり、これは豪ドルとNZドルによってリスクになり続ける。金曜日、両通貨は下落し、下降トレンドに偏っている。
カナダとアメリカの貿易再交渉はいまだに大きな進展を得られていない。カナダのクリスティア・フリーランド(Chrystia Freeland)外相は来週交渉を続けるためにアメリカに戻るが、いままで費やされた交渉時間を考慮するといかにお互いが条件を妥協したくないかが伺える。焦点は乳製品である。カナダは国内の乳清業界のために外国産乳製品を制限している。しかし、アメリカはその規制を緩和し米国産乳製品をカナダ市場で売れるように求めている。先週の報道によるとトランプ米大統領はカナダをアメリカ/メキシコ/カナダ協定から外す意思があるとされる。交渉は詳細までいたってないが、投資家は現在までの進展に満足していないだろう。カナダ経済は、今週 小売売上高や消費者物価指数が発表予定で、注目を集めている。
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