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ドルが戻ってきた!為替相場

発行済 2018-09-28 20:03
更新済 2023-07-09 19:31

27日、米国の強い経済指標結果と米国債利回りの回復を背景に、ドルは上昇している。27日に発表されたGDPによると、4年間中でもっとも経済成長のペースが早い。前回の強いGDPの数字から修正はされなかったが、 USD/JPYの燃料になるには十分だった。また、同日 耐久財受注件数は予想を大幅に上回ったが、これは大方ボーイング (NYSE:BA) の発注によるものである。

ドルを押し下げる要因があったとするのならば、8月の貿易赤字や、失業率の増加、 中古住宅販売保留の下落などだろう。

しかし、これらの悪い経済指標を無視しているドルは、大きくドル高にふれる兆候である。ドル円(USD/JPY)は直近の下落を全て打ち消し、今年最高値水準まで上昇している。次の抵抗になる水準は114円だろう。米ドルの回復は、米国債の利回りの上昇によって加速された。もしレートが引き続き下落していたのなら、USD/JPYで大幅な上昇は見られなかっただろう。

ドイツはインフレを強く示したものの、ユーロ圏への信頼感やイタリアに関する懸念がユーロ をドルに対して下落させた。Investing.comの記者であるBoris Schlossberg氏によると、「市場は、EUの限度内で2%の赤字になると予想されるイタリアの予算を注視している。しかし、(ジュセッペ・コンテ新首相の)ポピュリズム政権は、停滞しているイタリア経済を刺激するため、より高い財政赤字目標を掲げている。もしトリア財務相が辞任し予算危機を引き起こした場合、EUR/USDは、ソブリン債務危機の新たな恐れがある中で、1.1600に急速に転落する可能性がある」と述べた。現在では、この価格に達し20日と100日の移動平均線より上で推移している。 ドイツ 失業率増減ユーロ圏 消費者物価指数(CPI)は金曜日に発表される予定だ。

GBP/USDは100日間の移動平均を下回って取引されている。市場は、ホールデン英中銀理事とEU離脱相バルニエ氏らの、肯定的な発言を無視している。ホールデン英中銀理事は、現在の成長ペースでは、中央銀行が加熱する経済を見過ごせないため、より高い利上げが必要だと述べた。バルニエ氏は英労働党のコービン氏との会談の後、秩序あるEU離脱(ブレクジット)を確実にし、野心的な将来のパートナーシップを構築することを望んでいると述べた。

第4四半期の 英国GDP の修正は金曜日に予定されており修正は期待されていない。

コモディティ通貨も​またドル高の犠牲になった。もっとも ニュージーランドドルの下落が大きかった。ニュージーランド準備銀行は金利を1.75%で据え置きした。NZ中銀はコアインフレの初期の兆候や来年の経済成長を期待していたが、下落するリスクはあると考えられている。そのようなものとして 長らく拡張的な金融政策を行う必要性があるということだ。結果としてニュージーランドではあまり変わらず、米ドルに対して開く金利差が、ニュージーランドドル/米ドル(NZD/USD)を押し下げた。NZD/USDは66 セントを抜けるのではないかと見られている。

オーストラリア準備銀行の政策金利の発表を前に、豪ドルも下落した。これには中国産業の利益が弱く、さらなる損失が予想されていることも背景にある。

USD/CADは上昇分を打ち消して、下落し終値を迎えた。 しかし、 原油価格の上昇と、ジャスティン・トルドー加首相のコメントはカナダドルを支えた。トルドー加首相は、米国との貿易交渉の合意は可能であるが、トランプ米大統領が肯定的な姿勢がまだ見えないため、まだ時間がかかると述べた。カナダは新NAFTA合意に参加できそうではないし、トランプ政権はメキシコとだけと2国間通商交渉を望んでいると考えられる。市場は9月30日の期限に間にあわないことを既に受け入れており、今では木曜日午後のカナダ中央銀行によるポロズ加中銀総裁のコメントに注目している。市場は、もしポロズ総裁がタカ派であれば、カナダ中央銀行は年末までに利上げをすると見込んでおり米ドル/カナダドル(USD / CAD)が1.30以下までに急落する可能性がある。


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