ついこの前まで 原油は100ドルに達すると言われてきた。この予想は、イランへの制裁によって原油の供給量が減るとの推測が主な要因であった。
しかし、現在ではその他のいくつかの事象も原油価格の圧力になっている。リスクオフのセンチメントや、米国によるシェールオイルの生産、また最近の米国のイラン産原油禁輸の8ヶ国において制裁免除などがあげられる。制裁の適用免除では、制裁発動から180日間ペナルティーなしでイラン産原油を輸入できる。
結果的に、原油価格は7日間連続で下落している。しかし、日本時間18時から19時30分の90分の間で価格は、ファンダメンタルが無くも急上昇していた。この上昇の説明に対してはテクニカルでしか説明がつかないだろう。
買い機会を窺っているトレーダーにとって魅力的なことは、7日間連続の下落以外に、2016年の2月の底値26.05ドル以来の長期上昇トレンドラインに近づいて下落していることだ。昨日の61.31ドルの安値は、上昇トレンドラインまで4.5%まで近づいた。これは2017年の8月30日以来最もその上昇トレンドラインに近い。
また、RSIは23.7に到達した。これは前述した2016年序盤以来もっとも原油価格が売られ過ぎていることを指し示している。長期上昇トレンドラインに近づいていることや、売られ過ぎのコンディションはトレーダーの買い意欲をそそるだろう。
中期的なトレンドをみるとまだ疑問が残るが、8月15日の64.51ドルを下回った後でも、これはまだ長期的な上昇トレンドラインの中であると考えることができる。
まとめ:中期的なトレンドは疑問だが、長期上昇トレンドではあると言える。しかし、長期上昇トレンドであるとしても、トレーダーは「次の上昇」の前には深い調整があると考えるべきだ。
トレード戦略
慎重なトレーダーは、10月3日の76.90ドルの高値を超えて中期的なトレンドも上昇トレンドであることを確認するべきだ。
一般トレーダーは、次の上昇の前に深い調整があるというリスクを考慮の上で、長期の上昇トレンドラインが続くとしてロングエントリー。深い調整を待つかどうかや、ロットの調整は任意だが、もし価格が上昇し始めたら機会損失になる。深い調整を意識に置きながら、いまエントリーしてもよい。
トレード例
- エントリー: $62, 今日の終値が62.75ドルより上で終値を迎えた後、サポートを試しに行き62ドルでエントリー
- 損切り: $61, 昨日の安値より下
- 損切り幅: $1.00
- 目標価格: $65
- 利確幅: $3
- リスクリワードレシオ: 1:3
積極的なトレーダーは、62.75ドルで終値を迎えた後でショートできるだろう。しかし、もっとこの価格以上に良いエントリーを待つ必要はない。
トレード例:
- エントリー: $62.75
- 損切り: $62.00
- 損切り幅: $0.75
- 目標価格: $70, キリのいい数字であり、短期的な上昇トレンドと200日線の水準
- 利確幅: $7.25
- リスクリワードレシオ: 1:10