ドル安を受けて、金 は勢いを取り戻している。
ドル安の背景には、米中間の貿易摩擦への懸念が退行したことがある。しかし、実際には貿易摩擦に対してなにか進展があったわけではない。3月から始まった貿易摩擦によって、ドルはセーフヘブン通貨として扱われていた。しかし、今週火曜日に大きくドルは下落した。ドルは執筆時0.46%下落している。
ドル安になっている理由として、連邦準備制度理事会(FRB)が金融引き締めを見直すことを示唆していることである。11月28日にパウエルFRB議長は金利は中立金利に近いと発言した。同氏は10月では中立金利には程遠いと発言していた。また、米国債利回りが下落し、ドル建ての金はドル安になることによって割安になるので、金の好材料となっている。
ドルは9月20日以来の上昇トレンドラインを下回り、金は7月17日ぶりの高値まで上昇した。あと0.35%上昇することによって、10月26日の高値1243.73ドルに達する。上昇によって、8月16日の1160.56ドルを底値とする上昇トレンドラインを延長することになる。
金は現在上昇チャネルラインの中でトレードされている。その上昇チャネルラインの下限は、8月16日以来の上昇トレンドラインである。
50日線(上図:緑)は100日線(上図:青)を上回ってゴールデンクロスを形成している。また、200日線(上図:赤)は上昇チャネルラインの上限まで来ており、今後このラインによってトレンドが転換することが期待される。
週足チャートでは、金価格は100WMAを上回っている。しかし、まだ週の途中であり、金曜日のクローズでどうなるかが大事である。また、MACDとRSIは買いシグナルを発している。
トレード戦略
慎重なトレーダーは、200日線を上回るまで待つべきだろう。現時点では1257.36ドルの水準である。
一般トレーダーは、心理的にキリがいい1250ドルの水準より上で終値を迎えた後、10月の高値である1243ドルまで戻したら、ロングエントリーできるだろう。10月の高値の水準がサポートになれば、今後の上昇が見込まれる。
トレード例
- エントリー: $1,244, 1250ドルから1243ドルでまで下落し、その水準で数日間取引された後
- 損切り: $1,242
- 損切り幅: $2
- 目標価格: $1,250, 心理的にキリがいい数字
- 利確幅: $6
- リスクリワードレシオ: 1:3
積極的なトレーダーは、10月の高値が抵抗ラインとなると考え、逆張りでショートを取ることができるだろう。
トレード例
- エントリー: $1,240
- 損切り: $1,242, 今日の高値の$1,241.16より上
- 損切り幅: $2
- 目標価格: $1,230, 心理的にキリがいい数字であり、11月下旬の安値の水準である。(上図:太い緑の水平ライン)
- 利確幅; $10
- リスクリワードレシオ: 1:5