米国株式市場の主要インデックス3つが史上最高値に近づく中、今週は利下げ期待によって相場の様子が左右されそうだ。過去3週間以内に発表された米国の経済指標は振るっておらず、市場は7月30、31日開催のFOMCにおける利下げ確率を100%価格に織り込んでいる状況だ。
しかし7月5日発表の非農業部門雇用者数が年初来最大の雇用成長を記録したことから、一部のアナリストは利下げが確実なものとも言えないという見方を示している。
そんな折、ジェローム・パウエルFRB議長による議会証言が今週予定されており、FRBの次の動きについて明示される可能性がある。同議長は10日に下院金融委員会、11日に上院銀行委員会において証言を行い、経済とFRBの金融政策に関する質疑応答を行う予定だ。
このようなマクロ経済の様子に追随するというよりも、当該企業のイベントによって何らかの動きが今週みられそうな3銘柄を紹介する。
1. ペプシコ
菓子・飲料大手のペプシコ(NASDAQ:PEP)は7月9日の市場寄付前に第2四半期決算を発表する。市場の予想売上高は164.3億ドルで、予想EPSは1.5ドルとなっている。
同社製品への需要が再び高まり、フリトレー・トスティートス・ラッフルズ等の人気ブランドを含む製品構成が功を奏し増益傾向であるが、今回の第2四半期決算で更にその増益要因が確かなものとして証明されることになりそうだ。
前四半期の売上高成長はフリトレー部門と北米飲料部門に支えられた。
同社株は昨年から強い上昇傾向にあり、決算でポジティブサプライズがあれば同社は競合他社をアウトパフォームするとみられる。7月5日の終値が133.02ドルで史上最高値に近づき、年初来20%高を超えている。
2. ボーイング
航空機製造大手のボーイング(NYSE:BA)は、737MAX機の墜落事故という同社史上有数の危機に未だ揺れており、同機の運転停止が当初期待よりも長期化する見込みが週末メディアで報じられた事から、再び売り圧力が高まる可能性がある。
ブルームバーグによると、欧州航空安全機関は同社の737MAX運転再開に対し5つの要求事項を定めたとされている。その中の1つは、今まで注目されていなかったオートパイロット機能に関しての要求となっている。世界中の航空会社は、乗客全員死亡という結果になった墜落事故2件の後、3月から737MAXの運航を全面停止している。
同社株は先週2%強下落し、7月5日の終値が355.86ドルとなった。737MAXの先行きに関する不透明感により、3月の高値から同社株は約20%下落している。
3. ベッド・バス・アンド・ビヨンド
家庭用品大手のベッド・バス・アンド・ビヨンド(NASDAQ:BBBY)は、7月10日の市場引け後に第1四半期決算を発表する。市場予測の平均は、予想売上高が25.8億ドルで予想EPSが0.08ドルとなっている。
この数字は、前年同期のEPSが0.32ドルであったことを踏まえると大幅な低下と言える。
同社はオンライン小売との競争により、客数増加に苦戦している。前四半期には、小売業において重要な指標である既存店売上高は1.4%減少している。
同社株は2015年初めより低迷し、過去1年絵は45%安となっている。7月5日は2%強上昇し、終値は11.47ドルをつけた。