巨大グローバル企業の一部が第2四半期決算の発表を今週予定しており、米国株式市場の底力が試される展開となっている。
先週のS&P 500とナスダック総合指数下げ幅は5月以来最低となり、各企業の四半期決算の不調、継続する米中貿易摩擦、FRBの利下げ観測の不透明性等を反映したとみられる。
ファクトセットによると、S&P 500構成銘柄の第2四半期純利益は2.9%の減少が予想されている。また同リサーチによれば、この第2四半期の業績予想を発表した114社の内、77%が利益の減少を予想している、
そんな中今週、以下の3銘柄に注目すれば様々なセクターがどのようにパフォームしているかが分かるだろう。
1. テスラ
電気自動車メーカーのテスラ(NASDAQ:TSLA)は、24日の市場引け後に第2四半期決算を発表する。コンセンサス予想では、予想売上高が65.2億ドル、予想EPSが0.41ドルとなっている。
今月では第2四半期(4-6月期)の納車台数が過去最高であるという投資家にも嬉しいニュースがあった。同社は2018年第4四半期の90,700台という記録を超え、今年第2四半期に95,200台を出荷したと発表している。
そのようなポジティブなニュースがあった中でも、今回の四半期決算で同社が収益性を確保する道筋を示すことができるかは依然として不透明だ。同社自動車への需要減速により既にタイトなキャッシュポジションが危ぶまれるのではとの懸念から、高い市場の期待から一転し、今年初めから6月までで40%安を超えるほどの下落を見せた。
しかしテスラ株は一定程度の回復を見せている。出荷台数が過去最高を記録した事による利益増加により、2020年まで持ちこたえるキャッシュを創出したのではとの期待から、6月以来46%高となっている。同社19日の終値は258ドルとなっている。
2. フェイスブック
フェイスブック(NASDAQ:FB)も24日に決算報告を予定しており、投資家による厳しいチェックが待ち構えている。コンセンサス予想では、予想売上高が165億ドルで、予想EPSが1.87ドルとなっている。
政治家・規制当局等による同社プラットフォームの運用方法に対し調査が行われるなど難局を迎えているものの、2019年に入ってからの同社株の急騰は、フェイスブックが依然として広告プラットフォームとして愛されていることを強く示している。
同社株は年初来50%高となっており、19日の終値は198.36ドルとなっている。2018年にはデータ漏洩、ユーザープライバシーへの懸念、同プラットフォームの政治的操作等の重大問題が続き、25%安を超える下落となっていた。
3. AT&T
AT&T(NYSE:T)も24日の寄付前に第2四半期決算を発表する。予想売上高が448.7億ドル、予想EPSが0.89ドルとなっている。
同社の株価チャートを見てみると、同社の将来利益に関して投資家はあまり期待できていないことが見て取れる。過去二年間で非常にボラティリティが高く、10%安となっている。しかし、債券の期待利回り低下による利回り需要から、公益株に人気が集中したことにより今年の同社株価は回復している。19日の同社終値は32.79ドルであった。
消費者の需要がネットフリックス(NASDAQ:NFLX)等より安価なエンターテインメントに集中する中、同社は時代の変化に適応したメディアへと急速に変化を遂げようとしている。その文脈で、同社は昨年HBOやCNN等の人気コンテンツを有するワーナーメディアを850億ドルで買収した。
しかしその買収により同社の負債は膨れ上がり、オペレーションが複雑になった。同社は1690億ドルのネットデットを抱え、ワーナーメディア買収のために借り入れた負債の内75%を今年中に返済する予定だと発表している。