企業決算は好調で、現在の上昇相場が崩れる様子などは見られない。ツイッター (NYSE:TWTR)とグーグルの親会社アルファベット (NASDAQ:GOOGL)が好調な決算を発表し、26日の{166|S&P 500}とナスダック総合指数は史上最高値を更新している。
今週S&P500構成銘柄の内100社以上が決算報告を予定しており、FRBによる利下げ観測が高まる中、市場のリスク許容度は上昇している。
1週間に多くのイベントが予定されている今週のような時には、ヘッドラインリスクが消えるまで見守る姿勢を貫くのが賢明だ。そんな中で、以下が今週特に注目の3銘柄である。
1. アップル
アップル(NASDAQ:AAPL)は7月30日の市場引け後、第3四半期(4-6月期) 決算を発表する。コンセンサス予想では、予想売上高:533.5億ドル、予想EPS:2.09ドルとなっている。
米中貿易摩擦が継続する中、同社は投資家の高い成長期待に悪戦苦闘している。第2四半期(1-3月期)では、四半期売上高が前年同期比5%減となっており、主にiPhoneの売上が17%減少した中国における売上高の低成長が原因とみられている。
同社は、もし米中間で摩擦が解消されない場合、中国における巨大な自社のサプライチェーンシステムが瓦解しうるという大きな問題に直面している。
こうした逆境にも関わらず、同社は新サービスの展開により収益源を広げ、同社株は今年上昇している。同社株は年初来33%高となっており、26日の終値は207.74ドルを記録している。
iPhoneの販売台数が伸び悩む中、アップストア売上・スマホ決済・ストリーミング音楽サービス等を含む「サービスセグメント」に市場の注目が集まっている。
2. P&G
消費財大手のP&G(NYSE:PG)は、7月30日の市場寄付き前に第4四半期(4-6月期)決算報告を予定している。市場予測では、予想売上高:168.6億ドル(前年同期比2%増)、予想EPS:1.05ドル(前年同期EPS:0.94ドル)となっている。
M&Aや為替差損益を除いた同社のオーガニックな売上高は、第3四半期(1-3月期)に5%増となっている。米国及び中国という2大マーケットでの成長が堅調である等の理由から、同社の今年のオーガニック成長ガイダンスは2~4%増というレンジから、「確実な4%」へと修正された。
26日の終値が114.73ドルを記録した同社株は、既に成熟し動きの少ない銘柄ではあるものの、今年に入ってから市場をアウトパフォームしている。年初来S&Pが約20%高となる一方、同社株は同期間に25%高となっている。
同社の経営改革が効果を表してきた事に加え、売上高の低成長懸念が払拭された事が、同社株上昇に寄与している。
小規模な競合他社に市場シェアを奪われる傾向が強まる中、同社は10の製品セグメントに集中し、経営効率・利益水準の上昇に取り組んできている。
3. ビヨンドミート
工場肉生産のビヨンドミート(NASDAQ:BYND)は、7月29日の市場引け後に第2四半期決算(4-6月期)を発表する。5月の上場以来2度目となる決算報告となる今回だが、コンセンサス予想では、予想売上高:4829万ドル(前四半期比20%増)、予想EPS:△0.13ドルとなっている。
26日の終値が234.90ドルを記録した同社株は、上場以来900%高以上になっており、市場からの期待がとても厚い。同社が生産する野菜ベースの肉製品が、巨大な市場ポテンシャルを持つとの期待が背景として存在する。
同社製品は、味・匂い・食感・見た目が本物の肉に驚くほど似ているという点で優れている。
同社の第2四半期(4-6月期)決算は、株価急上昇が単なるバブルではなく、売上高モメンタムに支えられた確かなものだと証明するための試金石になりそうだ。先週の取引では、ダンキン・ブランズ・グループ(NASDAQ:DNKN)とのパートナー契約を発表し、同社株は20%高以上となっている。