- 8月2日の市場寄付き前に2019年度第2四半期決算報告を予定
- 予想売上高:648.5億ドル
- 予想EPS:0.7ドル
米国の石油大手の中でも、エクソン・モービル (NYSE:XOM)株の人気は最も低い。同社の産出量の低下や事業戦略上の懸念で、同社株は過去5年間市場をアンダーパフォームしている。
同社は、4月に発表された第1四半期(1-3月期)決算では精製事業において過去20年最悪の損失を計上した。上流から下流まで手掛ける統合事業モデルを信奉してきたが、2018年以降の不調からの復活に対し疑問視されるようになっている。
8月2日の同社第2四半期決算は、精製事業復活の兆しを測る上で非常に重要な意味を持つ。
同社決算の市場予測では、第2四半期予想売上高:648.5億ドル(前年同期比12%増)、予想EPS:0.7ドル(前年同期EPS:0.92ドル)となっている。
下押し圧力を受ける株
4月23日に年初来高値となる83.49ドルを記録して以来、同社株は約10.30%下落しており、7月31日には74.36ドルで終値を迎えている。同時期の競合他社であるシェブロン (NYSE:CVX)などと比べても、明らかにエクソンモービルは株価はアンダーパフォームしている。
現在同社は生産量の増加に苦心しており、また基軸となる精製事業も低迷している。そのような状況の中で同社が今すぐに競合他社を出し抜く希望はほとんど存在しない。
ただ我々は同社の将来の成長に対し非常に楽観的だ。エクソンのダレン・ウッズCEOは、再び同社を成長させるべく、より長期的アプローチを取ってきている。同氏は、石油産業の直面する新たな難題を解決するため、大量の資金投入が必要であると考えており、そのために一時的に投資家に報いることが出来ていないのである。
ウッズ氏は同社の復活を果たすべく世界中の掘削機会を狙って、2300億ドル規模の計画に着手した。この計画にはテキサス西部の油井、パプアニューギニアの天然ガス輸出施設、ガイアナにおける新油田発掘、モザンビークやブラジルの開発などが含まれる。
同社の優れた点は、同社が米国の石油生産大手で唯一利益の中から配当金や設備投資費などを確保できていることである。
株価は反落したものの、エクソンの利回りは現在4.62%となっており、ここ5年の平均である3.5%よりもずっと高い値となっている。同社のEPSは0.87ドルとなっており、過去5年に渡り年率5%以上の上昇を見せている。
エクソンはボラティリティの高いセクターで事業を行ってきたのにも関わらず、30年以上連続で増配を行ってきた。この業績は同社のバランスシートが高い質を誇り、また株主に優れた収益をもたらす能力があることを物語っていると言えるだろう。
総括
エクソンはボラティリティの高いセクターで事業を行ってきたのにも関わらず、30年以上連続で増配を行ってきた。この業績は同社のバランスシートが高い質を誇り、また株主に優れた収益をもたらす能力があることを物語っていると言えるだろう。
もしあなたが安定した配当銘柄を探しているのなら、現在下げているエクソンモービルは良い選択だろう。また、8月2日の決算後に値上がりする可能性もある。