米軍は1月3日、イラクの首都バグダットを空爆しイラン革命防衛隊コッズ部隊のカセム・ソレイマニ司令官を殺害した。米国イラン間の高まる緊張感とともに、マーケットのボラティリティーは高まっている。
昨今では米国の主要指数が最高値を更新しておりマーケットに楽観論が広がっていたが、米国とイランの対立によって、米国株式市場は短期的に売り圧力を受ける可能性がある。
そんなマクロ経済の中で、今週に決算報告を予定している3銘柄を紹介する。
1. ウォルグリーン(Walgreens)
米国で2番目に大きいファーマシーチェーンのウォルグリーン(NASDAQ:WBA)は、1月8日(水)の寄り付き前に第1四半期(9-11月)決算を報告する。市場予想では、売上高346億ドル、EPS1.41ドルとされている。
アマゾン(NASDAQ:AMZN)や他の競合他社による圧力を受ける中、ウォルグリーンはコスト削減に焦点を当てている。昨年10月の発表では、2020会計年度では成長が横ばいとなることが見込まれる中、年間コストを3億ドル下げる計画であることを述べていた。
ウォルグリーンは、業務のデジタル化などの合理化を進めている。また昨年8月では、以前に発表していた750店舗の閉店よりは少ないものの、200店舗の閉店を計画していることを述べていた。
また8月では2020会計年度の調整後EPSはほぼ横ばいとなる見通しであることを発表したことを受け、同社株価は昨年末にかけて12%以上下落し、先週金曜日の時点では59.08ドルとなっている。
2. ベッド・バス・アンド・ビヨンド(Bed, Bath & Beyond)
ホリデーシーズンの小売業は好調であったと見られる中、ベッド・バス・アンド・ビヨンド (NASDAQ:BBBY)は1月8日(水)の引け後に、第3四半期(9-11月期)決算を発表する。
市場予想では、売上高28.5億ドル、EPSは0.02ドルになるとみられている。ベッド・バス・アンド・ビヨンドは現在、eコマース勢力に太刀打ちするために大きな組織改革・事業改革を遂行している。
同社は先月、マーチャンダイジング、マーケティング、デジタル、リーガルのトップを含め、6人の上級役員が去ることを発表した。昨年では物言う株主が取締役介に対して圧力を強め、共同創業者が辞任に追い込まれた。また、全約1,500店舗のポートフォリオの戦略的レビューを実施している。
これらの改革が投資家に受け入れられ、過去3ヶ月では50%の上昇となっている。先週金曜日は1.5%安で終値は16.08ドルとなった。
3. コンステレーション・ブランズ(Constellation Brands)
「コロナビール」など酒類販売大手のコンステレーション・ブランズ (NYSE:STZ)も1月8日(水)の寄り付き前に2020年度第3四半期(9-11月期)決算を発表する。市場予想では、売上高19億ドル、EPS1.84ドルとなっている。
過去数四半期においては、同社が保有する40億ドルのキャノピー・グロース(NYSE:CGC)の株式による損失によって、純利益が圧迫されてきた。キャノピー・グロースは他の大麻セクター同様に収益化を確立することに苦戦している。
前四半期の第2四半期ではキャノピー・グロースの株式によって損失計上を受け、最終損益が赤字に転落している。
「キャノピーのビジネスは急速に進化しており、業績は激しく変化する可能性が高い」とコンステレーション・ブランズのDavid Klein CFOは10月に語る。
コンステレーション・ブランズ株は直近6ヶ月で5%以上下落し、先週金曜日の終値は0.6%高の189.53ドルとなっている。