過去10年間に渡って、テクノロジーセクターは値を上げて取引されてきた。ナスダック100の時価総額は2009年からの10年間で、約7兆ドル跳ね上がった。また、2019年は過去10年間で最高のパフォーマンスを記録した年であった。
一方で、投資家はテクノロジーセクターのファンダメンタルズに疑問を抱き始めている。
2019年、アップル (NASDAQ:AAPL)の株価は約2倍、マイクロソフト (NASDAQ:MSFT)は約60%高、フェイスブック (NASDAQ:FB)は約50%高となった。
テクノロジー銘柄は景気後退に弱く、景気循環がピークを迎えたことが懸念され始めている。また、株価が割高である場合、ボラティリティはさらに高まるだろう。ナスダックの平均PERは34倍となっており、割高である。
とはいえ、長期投資家にとってテクノロジーセクターにはまだまだ収益機会がある。投資期間を5年から10年で考える投資家にとって、堅実なテクノロジー銘柄への投資は、今からでも遅くはない。
テクノロジーセクターの古株
テクノロジーセクターにおける古株の中で、2019年に史上最高値を記録したマイクロソフトがお勧めである。2020年の焦点は、拡大するクラウドコンピューティング市場で、同社がアルファベット (NASDAQ:GOOGL)やアマゾン・ドット・コム (NASDAQ:AMZN)とどのように競合し、どのような結果を残すかである。
我々は、クラウド事業が同社の成長ドライバーになると見ている。米国防総省のJEDI、つまり防衛基盤整備のための共同事業において、同社は100億ドル規模の契約を結んだ。
また、マイクロソフトの魅力として、高配当な点が挙げられる。配当を開始した2004年以降、現在の配当額は4倍以上に膨れ上がっている。現在の年間配当利回りは1.29%、四半期配当額は0.51ドルとなっている。
他方、2019年のアップルは約86%高となり、テクノロジーセクターでアウトパフォームした。アップルは長期投資に最適な銘柄と言える。
2020年秋発売予定の5G対応アイフォンを受け、株価はさらに値上がる可能性がある。
2020年上期には、低価格アイフォンの発売も控えている。
また、約15億人のユーザー数とエアーポッズやアップルウォッチなどの革新的な製品が、同社の成長ドライバーとなっている。
総括
今後1年間を、完全に予測することは不可能である。しかし、数多くの資産クラスで10年ぶり高値を記録した2019年を、再び繰り返すことはないだろう。不確実性が高まる中で、堅実な大企業への投資は、悪くない選択肢である。