今後2週間、本格的に決算シーズンを迎え、S&P500構成銘柄の約半数が決算報告を行う。
その中には、アマゾン・ドット・コム (NASDAQ:AMZN)やマクドナルド (NYSE:MCD)、ボーイング (NYSE:BA)などが含まれている。
新型コロナウイルスの影響で、第1四半期決算は軒並み悪化する見込みである。アナリスト予想では、S&P500全体の収益が約12.8%減となるとのこと。
しかし、新型ウイルスが追い風となる企業も存在する。以下が、業績が上昇する可能性の高い3銘柄である。
1.ドミノピザ
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決算報告:4月23日寄り付き前
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予想EPS:前年比5.5%増
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予想売上高:前年比4%増
ドミノ・ピザ (NYSE:DPZ)は、新型ウイルスの影響で市場が低迷する中で堅調な値動きとなっている。新型ウイルスで人々が家に籠り、デリバリー料理への需要が高まっている。
さらに、同株はパパ・ジョンズ・インターナショナル (NASDAQ:PZZA)やピザハットの親会社であるヤム・ブランズ (NYSE:YUM)などの競合をアウトパフォームしている。
同社の予想EPSは2.32ドルとなっており前年同期の2.2ドルを上回る見通し。また、予想売上高は8億6981万ドルとなっており、前年同期の8億3590万ドルを上回る見通しである。この背景には、総注文の約55%を占めるオンラインデリバリーが、好調に推移していることがある。
同社の予想では、第1四半期における売上高は4.4%増、為替の影響を除くと5.9%増になるとのこと。また、米国における既存店売上高は1.6%増、海外の既存店売上高は1.5%増になる見込み。
2.テラドック・ヘルス
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決算報告:4月29日大引け後
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予想EPS:前年比19.4%増
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予想売上高:前年比38.4%増
市場全体が下落する中、テラドック・ヘルス (NYSE:TDOC)は過去最高値を記録している。同社は電話やビデオ会議ソフト、モバイルアプリを利用して、遠隔医療サービスを提供している。
新型ウイルスの流行によって同社サービスへの需要が急増したことを受け、同社の株価は年初来で約2倍以上値を上げている。
同株は22日、最高値である189.12ドルに到達した。
同社の予想EPSは前年同期の-0.43ドルに対して、-0.36ドルになると見られる。予想売上高は1億7795万ドルとなっている。
同社は先週、新型ウイルスの影響でオンライン診断の予約数は3月初旬から倍増しており、1日2万件にも登ると述べた。
また、利用者の60%以上は新規利用者であるとのこと。
3.クロロックス
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決算報告:5月1日寄り付き前
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予想EPS:前年比11.8%増
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予想売上高:前年比8.4%増
家庭用消費財メーカー大手のクロロックス (NYSE:CLX)は、収益の53%をクリーニング部門が占めている。特に除菌・漂白剤や除菌シート、パインソルなどの液体クリーナーなどは、新型ウイルスの影響で需要が高まっている。
同社の株価は史上最高値を記録している。年初来では約25.1%高となっており、新型ウイルスが追い風となっている。
同株は3月21日、過去最高値となる214.21ドルを記録した。
アナリストは同社の業績に対して強気な見通しを示しており、予想EPSは前年同期の1.44ドルに対して1.61ドル、予想売上高は前年同期の15.5億ドルに対して16.8ドルとなっている。
UBSのアナリストであるSteven Strycula氏は、「小売業者との対話に基づくと、新型ウイルスの影響で除菌剤などの売上高は3~5倍になる可能性がある」と発言した。