ツイッター (NYSE:TWTR)とトランプ大統領の対立が激化している。しかし、投資家はトランプ氏と同社の対立が、業績へ影響を及ぼすとは考えていない。
トランプ氏はカリフォルニア州の郵送投票について、「不正の温床」などとツイートした。これを受け、同社は、投稿に誤解を招きかねない内容が含まれているとして、利用者に注意を呼びかける青色のラベルを表示した。
「ファクトチェックの結果、郵送投票と有権者の不正行為に関連性は見いだせなかった」と同社は述べた。
その後、トランプ氏のミネアポリスで起きた暴動に関するツイートを、ツイッターのルールに反しているとして、警告文を表示した。
一方、トランプ大統領は同社の検閲を、言論の自由への冒涜として非難している。そして、報復として、ツイッターを含むSNS企業の規制を狙う大統領令に署名した。
今回の大統領令は、オンライン事業者に一定の的保護を認める米通信品位法について、解釈を明確にするのが狙いとなっている。
広告収入
この問題が法廷闘争まで長期化することは考えにくいが、ツイッターにとっては確実に負担となっている。
ウォールストリートジャーナル紙は以下のように述べた。
「今回の問題はツイッターへのアクセスを高めるので、必ずしも短期的に悪いものではないだろう」
「しかし、政府からの法的措置の脅威は、同社の株価を下押しするだろう」
このような懸念から、同株は先週、約6%安となった。
しかし、1日の同株は3%高の31.89ドルとなった。
同社はトランプ氏のツイートだけでなく、世界中でのツイートを検閲する必要がある。そのため、新型コロナウイルスの影響で広告収入が減っている中、検閲に多大なるコストがかかる。
さらに、アクティビストのエリオット・マネジメントがジャック・ドーシーCEOの退任を提案した後に、今回の問題が起きている。エリオットと同社は「デイリーアクティブユーザーの野心的な目標を設定し、収益成長を加速させ、デジタル広告の市場シェアを拡大する」という形で合意に達した。
しかし、4月30日に発表されたツイッターの第1四半期決算では、新型ウイルスの影響で売上高はわずか3%増に留まった。
総括
トランプ大統領のSNS企業への大統領令は、ツイッターへそれほど大きい影響をもたらさないかもしれない。むしろ、ツイッターは検閲対象がトランプ氏だけではないことを示すため、検閲に多大なるコストを要する可能性がある。