多忙な第2四半期の決算シーズンが始まる中、多くの投資家がポートフォリオの分散と市場の有力なトレンドを利用するために、上場投資信託(ETF)への投資機会に注目している。
この記事では、ボラティリティの高い現在の環境下でそのようなメリットをもたらす可能性のある、比較的新しい3つのETFを紹介しよう。しかし、このような新しいETFは、通常、取引実績が少なく小規模であることに注意する必要がある。したがって、一般的にはさらなるデュー・デリジェンスが必要である。
1. Kelly Hotel & Lodging Sector ETF
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現在価格:14.54ドル
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52週間のレンジ:13.17ドル~16.31ドル
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経費率:年率0.78%
予防接種率の高さと渡航制限の緩和は、コロナ禍の影響を大きく受けたホスピタリティ・セクターに追い風となる。米国ホテル・ロッジング協会(AHLA)の「2022年ホテル業界の現状報告」によると、2022年には客室稼働率と客室収入が2019年の水準に近づくと思われる。
最初のETFであるKelly Hotel & Lodging Sector ETF (NYSE:HOTL)は、ホテル・宿泊株へのエクスポージャーを提供する。このETFは2022年1月に発足された。
このETFはStrategic Hotel & Lodging Sector Indexに連動しており、現在40銘柄を保有している。サブ・セクターでは、ホテル・宿泊管理サービス(57.83%)、不動産投資信託(REIT)(34.62%)、バケーションレンタル(7.54%)が挙げられる。
ポートフォリオの上位10銘柄で純資産額140万ドルの約65%を占めている。その中には、Airbnb (NASDAQ:ABNB)、Hilton Worldwide (NYSE:HLT)、Marriott International (NASDAQ:MAR)、そして2つのREIT VICI Properties (NYSE:VICI) とHost Hotels & Resorts (NASDAQ:HST)が含まれている。
HOTLは、1月に15.47ドルの始値で取引を開始した。その後、3月8日に過去最安値の13.17ドルを記録している。ホスピタリティ部門に強気の投資家は、現在の水準でETFに買い入れるチャンスと見なすことができるだろう。
2. ETFMG Real Estate Tech ETF
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現在価格:15.68ドル
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52週間のレンジ: 14.62ドル~25.81ドル
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経費率:年率0.75%
不動産分野では、テクノロジーの導入が進んでいる。Zillowの調査で以下のことが明らかになった。
「ミレニアム世代の40%はオンラインで住宅を購入することに抵抗がなく、(中略)59%はデジタルで見学しただけの住宅に自信を持ってオファーを出している。」
次のご紹介するETFは、世界の不動産テクノロジー業界へのエクスポージャーを提供するETFMG Real Estate Tech ETF (NYSE:HHH)である。2021年10月に初上場した。
このETFは、Prime Real Estate Technology Indexに連動し、39銘柄を保有している。組入れ上位10銘柄で純資産額150万ドルのほぼ半分を占めている。そのため、ETFの規模は小さく、集中している。
最も大きな割合を占めているのは不動産サービス(30.6%)である。次いで、インタラクティブ・メディア&サービス(19.8%)、アプリケーション・ソフトウェア(11.44%)、その他と続く。
統合ソフトウェアおよびデータソリューションプロバイダーのBlack Knight (NYSE:BKI)、分析およびオンライン・マーケットプレイス・サービスグループのCoStar (NASDAQ:CSGP)、Airbnb、オーストラリアのオンライン不動産広告業者のRea Group (ASX:REA) および英国のRightmove (店頭販売:RTMVY)などがポートフォリオに名を連ねている。
このETFは今年に入ってから約28%下落し、3月14日に52週目の安値を付けた。最近の下落にもかかわらず、HHHはあなたのウォッチリストに入れても良いかもしれない。
3. Simplify U.S. Equity PLUS GBTC ETF
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現在価格:25.46ドル
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52週間のレンジ: 23.69ドル~29.79ドル
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配当利回り:0.29%
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経費率:年率0.74%
Vantage Market Research社の最近の調査によると、世界の暗号資産市場の総収入は2021年に15億4000万ドルであり、2028年には23億ドルを超えるだろう。このような増加は、6.9%の複合年間成長率(CAGR)を意味する。
最後のETFであるSimplify U.S. Equity PLUS GBTC ETF (NASDAQ:SPBC)は、米国株式に投資すると同時に、Grayscale Bitcoin Trust (BTC) (OTC:GBTC)により最大の暗号資産 Bitcoinに対する10%のエクスポージャーを提供するものである。同ETFの総資産は、2021年5月の設立以来、1億1,000万ドルを突破している。
SPBCは現在、iShares Core S&P 500 ETF (NYSE:IVV), Grayscale Bitcoin Trust と22年6月の先物契約 S&P 500 E-Miniなど3銘柄を保有している。
SPBC ETFは、長期的なポートフォリオにビットコインのエクスポージャーを追加したいと考えている読者に魅力的に映るだろう。ETFは年初来で9.8%下落し、2月24日に史上最安値を記録している。これに対し、ビットコインは年初来で約14.5%下落している。