NY株式:NYダウは95.31ドル高、イラン緊張長期化を警戒もハイテクが押し上げ
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今週は、米国のインフレ指標、小売売上高、米国・イラン情勢の進展、そしてトランプ・習近平首脳会談が市場の注目材料となる可能性がある。
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アプライド・マテリアルズ (NASDAQ:AMAT)は、AI インフラ需要の急増を背景に半導体製造装置市場で優位なポジションを確立しており、注目の買い銘柄として浮上している。
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一方、アリババ・グループ (NYSE:BABA)は売り候補として挙げられる。今後発表される決算では、競争激化と規制環境下での継続的な課題が浮き彫りになると見られている。
金曜日の米国株式市場は上昇して取引を終えた。マイクロンテクノロジー. (NASDAQ:MU)、サンディスク (NASDAQ:SNDK)、インテル (NASDAQ:INTC)など AI関連銘柄の大幅上昇を受け、S&P 500とNasdaqは史上最高値を更新。堅調な雇用統計も労働市場の底堅さを示した。

出典:Investing.com
主要3指数は週間ベースでいずれも上昇。Nasdaqは4.5%高、S&P 500は2.3%高となり、両指数とも6週連続の上昇を記録。これは2024年10月以来の最長連騰となった。ダウ工業株30種平均は同期間で0.2%上昇した。
来週の株式市場は、インフレ指標と個人消費データ、イラン情勢の進展、そして米中首脳による重要会談が材料視される見通しだ。
ドナルド・トランプ大統領は5月14日〜15日に北京を訪問し、習近平国家主席と会談する予定。米国の指導者が北京を訪れるのは約10年ぶりとなる。
経済指標では、火曜日に発表される米消費者物価指数(CPI)が最も注目される。4月のCPI上昇率は前年同月比3.7%と予想されている。
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水曜日には生産者物価指数(PPI)、木曜日には小売売上高が発表される。
決算発表は今週から一服感が出てくる。シスコ・システムズ (NASDAQ:CSCO)、アプライド・マテリアルズ (NASDAQ:AMAT)、Nebius Group NV (NASDAQ:NBIS)、Oklo Inc (NYSE:OKLO)、Hims Hers Health Inc (NYSE:HIMS)、Circle Internet Group Inc (NYSE:CRCL)、Klarna Group PLC (NYSE:KLAR)、Barrick Mining Corp (NYSE:B)、アリババ・グループ (NYSE:BABA)などの決算が予定されている。
市場がどちらの方向に動くにせよ、以下では今週注目される可能性のある銘柄と、下落リスクがある銘柄を取り上げる。なお、対象期間は5月11日(月)〜5月15日(金)の1週間である。
注目の買い銘柄:Applied Materials
世界最大の半導体製造装置メーカーであるApplied Materialsは、先端チップ製造装置への旺盛な需要を追い風に、好調な四半期決算を発表すると見られている。
同社は木曜日の米東部時間16時に、2025年度第2四半期(3月期)決算を発表する予定だ。オプション市場では、決算発表後の株価変動幅を±8.7%程度と織り込んでいる。

出典:InvestingPro
アプライド・マテリアルズは、3月期の調整後EPSは2.68ドルと予想されており、前年同期比12%増となる見通し。売上高は前年同期比8%増の76.8億ドルが見込まれている。
決算発表を前にアナリストのセンチメントは顕著にポジティブだ。InvestingProのデータによると、直近のアナリスト予想修正23件はすべて上方修正となっており、同社の継続的な成長に対する自信がうかがえる。
半導体向け製造装置・サービスのリーディングカンパニーである同社は、特にAIを支える先端チップへの業界投資の拡大から恩恵を受け続けている。

出典:Investing.com
AMAT株は史上最高値に迫る水準まで上昇し、金曜日の終値は435.44ドルとなった。テクニカル面では強気の基調が続いている。スーパートレンドのサポートは維持されており、一目均衡表の雲は完全にグリーン、MACDも強気方向に拡大を続けている。
直近のアナリストによる格上げも自信を裏付けている。HSBCは目標株価517ドルで「買い」でカバレッジを開始し、ウェハーファブ装置需要の堅調さを理由に挙げた。
AI関連受注の上振れや強気なガイダンスが示されれば、今週さらなる上昇の可能性がある。
トレード設定:
- エントリー:約436.00ドル
- 利益確定目標:462.00ドル(+6%)
- ストップロス:419.00ドル(リスク -3.9%)
注目の売り銘柄:Alibaba
対照的に、Alibabaは木曜日の3月期決算を前に売り候補として検討される銘柄だ。eコマースとクラウドの巨人として大きな規模を維持しているものの、AIとクラウドへの積極投資による利益率圧迫、コア事業の成長鈍化、中国のマクロ経済の不透明感など、根強い逆風に直面している。
決算発表を前に、アナリストの慎重姿勢が強まっている。直近14件の予想修正のうち13件が下方修正となっている。オプション市場では、決算発表後の株価変動幅を±7.3%程度と織り込んでいる。

出典:InvestingPro
コンセンサス予想では、杭州に本社を置くこのテック大手のEPSは7.11人民元(1.05ドル)、売上高は2,472億人民元(363億ドル)と見込まれている。
一見魅力的なバリュエーションに見えるものの、同社は複数の課題に直面している。中国eコマース市場ではPDD Holdingsなどとの競争が激化しており、中国経済の回復も緩慢で、北京当局からの規制監視も続いている。
さらに、かつて有望な成長エンジンだったクラウド部門も、国内競争の激化によりシェア維持に苦戦している。加えて、米国上場の中国株に対する上場廃止懸念がくすぶり続けており、ファンダメンタルズが改善しても投資家が付けるバリュエーションには限界がある。

出典:Investing.com
現在140.06ドルのBABA株は、一目均衡表の雲(135.74〜140.06ドル)と、2月〜4月の下落に対する50〜61.8%フィボナッチ・リトレースメント(138.33〜143.14ドル)が重なる強い抵抗帯に直接ぶつかっている。
アナリスト目標株価は27%の上昇余地を示唆し、コンセンサスも「買い」となっているが、短期的なセットアップはリスクをはらんでいる。
トレード設定:
- エントリー:約140.00ドル
- 利益確定目標:129.00ドル(+7.8%)
- ストップロス:145.85ドル(リスク -4.2%)
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免責事項: 本記事は投資助言ではありません。投資判断はご自身の調査に基づいて行ってください。
執筆時点で、筆者はSPDR® S&P 500 ETFおよびInvesco QQQ Trust ETFを通じてS&P 500とNasdaq 100にロングポジションを保有。Technology Select Sector SPDR ETFにもロングポジションを保有している。マクロ経済環境と企業のファンダメンタルズに基づくリスク評価に応じて、個別株とETFのポートフォリオを定期的にリバランスしている。
本記事で述べられた見解は筆者個人の意見であり、投資助言として受け取るべきではない。
