40%引きでご購読
新規!💥 ProPicksを手に入れ、S&P 500を1,183%を超える投資成績を実現した、戦略をご覧ください40%割引で開始

Daily Commentary - 07月10日2013年

発行済 2013-07-10 17:01
更新済 2019-12-18 20:45
概観

あー!またやってしまった:

中国と米国の成長率が低下するとみられ、ユーロ圏の生産が従来の予想を上回って縮小するとみられるなか、IMFによる2013年の成長予想が5回目の引き下げとなり、現在、世界の今年の予想成長率は、2012年と同じ3.1%となっている。為替市場にとって重要な点は、IMFが、回復が十分に確かなものとなるまで、金融刺激策は継続されるべきであると発言したことである。米国が、量的緩和の縮小に向かっていることを考えれば、その他の中央銀行は緩和モードにとどまり、事実上USDは全面的に支えられる傾向となるだろう。IMFの2013年のユーロ圏の成長率に対する新たな予想(従来予想である-0.3%から-0.6%)は、ECBとIMFの2014年の予想である+0.9%が、ECBの+1.1%からそれほどかけ離れていないことに似ている。しかし、修正のパターンを考えれば、この類似性は、成長が目標に達せず、ECBがさらに緩和を迫られ、それがEUR安を招くということを意味する。ECBのメンバーであるイエルク・アスムセン氏は昨日、中央銀行の政策は、「長期間」緩和モードで据え置かれるだろうということを再確認し、彼の説明によれば1年超ということだったが、ECBは、具体的な時間的枠組みを否定する声明を即座に発表した。英国に関しては、IMFによる英国の今年の予想成長率は0.9%であり、イングランド銀行の予想である1.1%を下回っているが、これは必ずしも、さらなる緩和策が求められるほどの低水準というわけではない。

こうしたことが背景にあるため、昨晩の動きを理解するのは困難である。なぜ、主なニュースが、世界の成長見通しの引き下げであるときに、コモディティー通貨が最高のパフォーマンスを示すのか?さらに悪いことに、中国は、6月の前月比での輸入高が、5月の0.3%の減少幅を上回る0.7%の減少となったと発表し、6.0%という回復予想は期待外れに終わった(マネーサプライの伸び率も鈍化した)。しかし、CAD、AUD、NZDはすべて上昇し、悲惨なZARは、我々がフォローしている通貨の中で最高のパフォーマンスを示したのである。一方、CHFは、最も大きく下げた。投資家は、企業業績が予想を上回り、株価が上昇する一方の米国に注目しているというのが正解だろう。IMFの発言がどうであれ、これは、リスクオン環境である。USDはさらに上昇するだろう。しかし、コモディティー通貨は、これらの国々の経済が弱含む限り、センチメントに基づく回復を続けることはないとみられ、今回のラリーは、ショートポジションを形成するために利用したい。

今週のドイツおよび英国の鉱工業生産指数はコンセンサスを下回ったが、本日のフランスの鉱工業生産指数も期待外れに終わるだろう。イタリアの鉱工業生産指数は上昇するとみられるが、これはおそらく、前月の低下からの平均回帰によるものとみられる。本日、ECBのノイアー、コスタ、アスムセンが会談する。おそらく、「長期間」とはどの程度のことを指すのかがより明確になるだろう。本日のビッグイベントは、米国の6月18日および19日のFOMC会合の議事録の発表である。議事録は、事態をさほど悪化させるものとはならないだろうというのがFRBの多くの高官から聞こえてくる予想である。重要なのは、FRBの成長見通しを巡るリスクに関する議論であり、事実上それは、量的緩和の「縮小」にまつわるリスクである。特に、雇用情勢と労働力率の低下に関する議論に注目が集まるだろう。労働力率の低下は、FRBが金融引締めの閾値とする失業率6.5%は、現在、FRBがこの基準を導入した頃に比べ、より健全性の低い労働市場を意味する。彼らはこの基準をこのことに応じて調整するだろうか?FRBのバーナンキ議長が、本日午後、スピーチを行う予定で、議事録の発表によって再燃する混乱を解決するだろう。本日、そのほかに米国の主な指標の発表は予定されていない。

マーケット

EUR/USD

• 賭けてみようか?EUR/USDによる反発は、1.2900でレジスタンスを見出し、続く数時間で1.2855まで戻し、1時間チャートと4時間チャートと日足チャート上のRSIとストキャスティック・オシレーターにおいて弱気なクロスオーバーによって示されているとおり、弱気のモメンタムが最高潮に達している。IMFによるユーロ圏の成長見通しの引き下げは、EUR/USDの下方突破の引き金となり、同ペアは、1.2750~1.2765領域でサポートを見出した。さらに悪いことに、スタンダード&プアーズが、イタリアの信用格付けを、ジャンク債のわずか2ノッチ上のBBBまで引き下げ、ネガティブ・アウトルックを据え置いた。1.2800の突破は、同ペアが大きく低下するとみられるヘッド・アンド・ショルダーズ・ネックラインの突破を示唆する。

• 強力なレジスタンスは、ネックラインか、1.2800をわずかに下回る水準に現れる可能性がある。1.2750を下回るサポートは、1.2705に現れ、重要なサポート水準は、2012年7月~2013年2月のラリーの61.8%リトレースメント水準である1.2680に見られる。

USD/JPY

• ブルームバーグによって調査されたエコノミストの大半が、日銀による一層の緩和が6ヵ月以内に行われることはないとみているにも拘わらず、USD/JPYは、昨日の朝に比べ変わらない水準となり、100.80のサポートと101.35のレジスタンスの間で推移した。

• 充分に試された100.80を下回るサポートは、100.40と100.00に現れる。101.35を上回るレジスタンスは、101.75~101.95領域に見られる。

GBP/USD

• 予想を下回る可能性のある英国の数値が実際にそうなったため、GBP/USDは1.4825~1.4850のリバーサル領域まで下落した。鉱工業および製造業生産指数は、前年比で予想以上に大幅な縮小となり、前月比も予想を下回る結果となった。貿易赤字も、前月に対する修正値に比べ拡大した。

• 1.4880のレジスタンスを突破すれば、1.4920の重要なレジスタンスに出会う可能性が高い。1.4825を下回る重要なサポートは、1.4700に現れる。



• 昨日の金のリバウンドは、1259ドルでレジスタンスを見出し、1241ドル~1244ドルの領域までリトレースした。金に対して強気な見方をしている投資家は、IMFによる世界的に弱気な成長見通しによって、レジスタンスを試す展開となったことに留意するとよいだろう。なぜなら、その理由の一つは、成長予想が引き下げられたということは、インフレ圧力が低下したということを意味するからである。

Oil

• IMFによる世界の成長予想の引き下げにも拘わらず、WTIが、昨日の朝に比べ上昇した主な資産となった。世界の成長予想が引き金となって、102.30ドルのサポートへの下方突破が生じたが、米国株式に見られた強力な反発、エネルギー情報局による2013年の価格見通しの引き上げ、本日遅くに発表される原油備蓄が一層減少するとの予想から、103.25ドルのレジスタンスの突破と、2008年下半期の原油価格における大規模な弱気市場の61.8%リトレースメントの非常に重要な水準である103.80からの突破を招いた。レジスタンスは、104.50~104.70ドル領域に現れた。

• 現在、重要なサポートは、103.80ドルにあり、より弱いサポートは103.25ドルにある。104.50ドルを上回るレジスタンスは、105.45ドルに見られる。

通貨レートベンチマーク - 今日の勝者と敗者

マーケット概要

最新のコメント

当社アプリをインストール
リスク開示書: 金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。
上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある時は英語版が優先されます。
© 2007-2024 - Fusion Media Limited. 無断複写・転載を禁じます