来週にFRB会議を控え、投資家が警戒モードに転じたため、USDは、16の通貨のうち15の通貨に対して下落した。長期的に金利を低く抑えるというFRBの目標に関する憶測によって、USDのロングポジション解消の新たな波が生じた。
USD安に加え、中東とアフリカの石油供給業者で生じた供給面の混乱によって、中国の景気鈍化に対する懸念が相殺されたため、本日、原油は、1バレルあたり107ドルを上回る水準に踏みとどまった。
金は、前セッションで0.9パーセント上昇していたが、USD安に後押しされて、若干反発し、安定的に推移した。
マーケット
USD/JPY
• USD/JPYは、4時間チャートにおけるペナント・フォーメーション(青色の旗)と200日移動平均の下方突破に成功した。前回のコメントで指摘したとおり、ペナントを突破すれば、強力な方向性のある下方への動きを生じることになり、98.57(38%フィボナッチ)のサポート水準に達するだろう。
• レジスタンス:200日移動平均は、現在、99.35にあるレジスタンスとして機能しており、次のレジスタンスは100.85と101.53に存在する。
• サポート:低下した場合の次のサポート水準は、98.25、97.65(50%)、96.95-96.74の領域に現れるだろう。
• 長期:日足および週足チャートにおいて、ヘッド・アンド・ショルダー・フォーメーションが形成されつつある点は注目に値する。このパターンを完成するか、あるいは失敗するかで、将来の強力な方向性のある動きが決定される。このフォーメーションは、まだ完成されていない。
EUR/USD
• EUR/USDは、依然として強気な短期的上昇トレンドにあり、セッション中は上昇し、前回観測された1.3283のレジスタンス水準に達した。同ペアは、20日移動平均と200日移動平均を上回って取り引きされている。長期的(日足、週足)には、1.34/1.37と1.2750の間の取引レンジにとどまっている。
• レジスタンス:1.3283にあるレジスタンスを突破することに成功すれば、同ペアは次のレジスタンスを1.3416で見出すだろう。
• サポート:下落した場合のサポートは、1.3065と、心理的水準である1.30に認められる。
USD/CAD
• USD/CADは、昨日の取引時間中に20日移動平均上でレジスタンスを見出した後、引き続き下落した。現在同ペアは、20日移動平均と200日移動平均を下回る水準にあり、弱気なトレンドによって、下落すると予想される。
• レジスタンス:同ペアは、上方調整が生じた場合、1.0330と1.0432でレジスタンスを見出すだろう。
• サポート:同ペアが下落すれば、次のサポート領域は、1.0138と1.00に認められる。
金
• 昨日、金は、200日移動平均上でサポートを見出した後、上昇した。金は、最近の上昇の動きにも拘わらず、日足チャートでは200日移動平均を下回る水準にとどまっており、フィボナッチ・リトレースメント水準である1346(38%)、1398(50%)、1449(62%)の重要なレジスタンス領域に達しようとしている。現在の上昇の動きは、依然として、下落局面における健全な調整であるとみられ、今後の展開が注目される。
• レジスタンスは、1346、1398、1449の水準に認められる。
• サポートは、現在、切りの良い数字であり、心理的水準でもある1300に近い200日移動平均近くに存在する。金が下落した場合、次のサポートは、1274と1181に認められる。
原油
• WTIは、昨日の取引において、上昇し、直近の数日間における損失の一部を取り戻した。依然として20日移動平均を下回る水準にあるため、短期的な調整局面にある。しかし、200日移動平均を上回れば、向こう数日間は、さらなる上昇の動きが持続すると予想される。
• レジスタンスは、最近の高値である107.51、108.96と、重要な110前後の水準に認められる。
• サポート水準は、4時間チャートにおけるフィボナッチ・リトレースメントを利用して、102.71(38.2%)、100.82(50%)、98.91(62.8%)に認められる。
通貨レートベンチマーク - 今日の勝者と敗者