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Daily Commentary - 08月09日2013年

発行済 2013-08-09 16:33
更新済 2019-12-18 20:45
概観

なぜUSDは下落しているのか?

いくつかの理由がある。直接的な最大の理由は、おそらく、量的緩和の縮小は、利上げとは関係がないということを、FRBがどうにか世界に確信させることができたためであろう。これにより、米国の金利は再び急激に低下するとの予想が浮上した。たとえば、2016年6月3ヵ月ユーロドル先物は、7月5日時点で2.32%を示していたが、これまでにわずか1.88%にまで下落している。その上、多くの投資家は、最初の量的緩和の縮小は、ハト派的な見通しの再確認を伴ったものになることを懸念しているようだ。次に、各国の中央銀行のバランスシートを見ると、実際、FRBだけが量的緩和の縮小を行うわけではない。ECBは量的緩和の縮小を行っているばかりではなく、バランスシートの縮小も行っており、昨年の6月のピーク時から23%も縮小している。イングランド銀行のバランスシートもピーク時に比べ2.4%低下している。一方、FRBのバランスシートは増大し続けており、当然のことながら、量的緩和の「縮小」が意味するものは、バランスシートの拡大のペースが落ちるというだけであり、縮小を意味するわけではない。したがって、量的緩和の縮小の議論は、その他の国々が同様の動きをしているため、最初の段階ではUSDにとってそれほど支持材料ではない。もちろん、これは、FRBのバランスシートにおける拡大が12%であるのに対し、同時期の日銀のバランスシートの拡大が既に20%強に達しているにも拘わらず、なぜUSD/JPYが、日銀が量的緩和を始めた時のまさにその水準にまで下落したかということに対する説明にはなっていない。

昨晩は再びUSDの低下がテーマとなった。このところ、USDはG10通貨に対して弱含むなか、新興市場通貨に対してはそれなりに上昇していたが、中国の輸入の数値が昨日予想よりも高かったことを受けて、新興市場通貨が反発し、USDはほぼ全面安となった。センチメントは良いデータに逆行するかたちとなっているようで、USDは、そうしたデータに反応していないように見受けられる。ファンダメンタル面ではなく、テクニカル面に注目したい。

欧州の取引時間中に発表されるフランスの6月の鉱工業生産指数は、前月比で-0.4%から+0.3%に転じたと予想される。英国の6月の貿易数値は、英国の貿易収支が悲惨な状況にあるなか、全体的には緩やかな改善を示すと予想され、貿易収支および貿易全体における赤字が共に縮小するとみられる。しかし、政府が求めるとしていた消費から輸出への「リバランシング」の兆候は何も見当たらない。カナダでは、7月の住宅着工件数が、6月の19万9600件から19万1000件へと若干減少するとみられる。失業率は、7.1%にとどまるとみられるが、雇用者数は、前月の400人の減少から1万人の増加に転じると予想される。これらの数値は、CADに対して緩やかなサポート材料となる可能性がある。

マーケット

EUR/USD

• EUR/USDは、昨日のセッション中、上昇し、取引レンジが一時的に休止した後、従来の上昇トレンドを裏付ける格好となった。同ペアは、4時間チャートにおいて、20期間移動平均と200期間移動平均のいずれをも上回って取り引きされており、1.3415のレジスタンス水準に向かっている。この水準を大幅に突破すれば、同ペアは、1.2750と1.3415の間の長期的(日足、週足)な取引レンジを脱することになるだろう。

• サポート:サポートは、心理的水準である1.3300に見出され、その後は1.3185と1.3058に見出されるだろう。

• レジスタンス:短期的な観点(4時間チャート)で認められる唯一のレジスタンス水準は、最近の高値である1.3415である。次のレジスタンスは、日足チャート上で、1.3525と1.3705に見出されるだろう。

USD/JPY

• USD/JPYは、昨日のセッション中、横ばいとなり、引き続き、下落トレンド・チャネルの下限と96.75にある61.8%リトレースメント領域を試しつつある。価格は戻し、下落トレンド・チャネルに回帰すると予想され、下落趨勢が続き、20期間移動平均が200期間移動平均を下回る弱気なクロスによっても確認されるだろう。長期的には、ヘッド&ショルダーズ・パターン(日足チャート)を形成しつつあり、同ペアが95領域を下方突破すれば、これが確認されるだろう。

• サポート:サポートは、日足チャートにおける「ヘッド・アンド・ショルダーズ」フォーメーションのネックラインにある95領域に存在し、その次は93.73水準に現れるだろう。

• レジスタンス:レジスタンス水準は、97.67に存在し、その次は、100(心理的水準)、100.84、101.52に現れるだろう。

GBP/USD

• GBP/USDは、昨日の取引時間中、上昇し続け、現在、1.5528にあるレジスタンスを試しつつある。しかし、ストキャスティック・オシレーターが最近、買われ過ぎの領域を脱し、現在は、売られ過ぎの領域に向かっていることから、同ペアの価格は、いったん戻した後上昇の動きが始まる可能性がある。その上、同ペアは、20期間移動平均と200期間移動平均の両方を上回って推移しており、強気な兆候を示している。長期的(日足チャート)には、1.4811と1.5597の間の取引レンジ内で横ばい推移となっている。

• サポート:サポート水準は、1.5431、1.5201、1.5102に存在する。

• レジスタンス:同ペアは、1.5528のレジスタンス水準近くに存在し、この水準を明確に突破すれば、1.5674と1.5752水準に向けて推移するだろう。



• 金は、昨日のセッション中、上昇し、青色の下落トレンド・チャネルの上限を突破したが、20期間移動平均は200期間移動平均を下回ったままである。金は、USDに対して負の相関があるため、上昇しているようだが、実際、その相関は、考えられているほど強くはない。たとえば、EUR/USDに関して、2008年における57%のピークからわずか36%下落したに過ぎない。価格は現在、1320.78のレジスタンス領域近くにあり、これを上方突破すれば、1347.27のレジスタンス水準に向けて上昇するだろう。長期的(日足チャート)には、20日移動平均が依然として200日移動平均を下回っているため、引き続き下落トレンドにある。

• サポート:サポート水準は、1264.15(50%)と1245.03(61.8%)に存在する。

• レジスタンス:レジスタンス水準は、1320.78、1347.27、1376.73に存在する。

原油

• WTIは、昨日のセッション中、下落し続け、青色の上昇トレンド・ラインの明らかな下方突破(その日の終値ベースで)を達成した。これは、早期の弱気のシグナルとみられるが、トレンド反転のシナリオを描くためには、102.75のサポートを大幅に突破する必要がある。この水準を明らかに下回って閉じれば、ダブル・トップ・リバーサル・フォーメーションの完成を示唆するとみられ、4時間および日足チャート上で確認できるだろう。

• サポート:サポート水準は、102.75に存在し、その次は、100.80と97.85に現れるだろう。

• レジスタンス:レジスタンス水準は105.70にあり、107.53と最近の高値である108.89に現れるだろう。

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マーケット概要

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