新興市場通貨における変動とG10通貨における夏の典型的な静けさとの対比には驚嘆する。直近の24時間では、USD/INRが、10,913と11,433の間の4.8%レンジで取り引きされ、USD/BRLは4.1%レンジで、USD/INRは3.0%レンジで取り引きされている。これは約1日にわたって続いた。これとは対照的に、我々のデータによれば、欧州では、この日の朝、EUR/USDが32日連続で1.32または1.33が障害となって始まった。いずれにしても昨日は、シリアへの攻撃がなされるべきか否かの議論が続いたため、石油価格は下落し、リスク回避取引の多くが避難した。水曜日、大半の通貨は、火曜日とは反対方向に動いた。
イングランド銀行の昨日のカーニー総裁のスピーチは、英国の金融政策に対する人々の見方を変えることに失敗した。彼は、英国が、7%の失業率を、最初の金利の動きが織り込まれている2015年半ばまでに達成する可能性は低いと主張した上、いずれにしても7%水準は、金融引締めのトリガーではなかったということを強調した。さらに、彼は、市場の高金利が成長に影響を与え始めれば、同行は金融をさらに緩和することもやぶさかではないと語った。しかし、それが難しいところである。金利は、成長に影響を与え始めることを余儀なくされる。彼は、成長が右肩上がりで推移する限り、何もしないということを暗に言いたかったのだ。それは、同行が、2015年に金融引締めを開始する可能性が高いという市場の考えを裏付けたに過ぎなかったため、GBPは強含んだ。私はそれほど確信が持てない。私は、多くの民間部門のエコノミストの予想よりも、英国経済は停滞すると考えている。私は、成長予想は下方修正されると思うし、GBP/USD予想も下方修正されるとみている。
本日は、経済指標の発表が、かなり込み合いそうだ。欧州では、8月のドイツの失業率が、6.8%で変わらずと予想される。8月のCPIについては、前月比0.1%の上昇が予想され、7月の+0.5%よりは鈍化するとみられ、ECBの考えに影響を与える可能性は低い。フランスの景況指数と、イタリアと英国の消費者信頼感指数も本日発表される。これらは、変わらずに上昇すると予想され、欧州で徐々に回復が見られることを裏付けている。米国では、第2四半期のGDPが、1.7%から2.2%に上方修正されると予想される。これまで第2四半期はもっと改善するとみられていたものの、この上方修正が、米国における景況感の改善に一役買う可能性はある。8月の失業保険申請件数は、先週の33万6千件から33万1千件への減少を示すと予想され、これは、市場が、量的緩和の縮小が実際に行われようとしているということを再確認する上で役立つ可能性がある。
マーケット
EUR/USD
• EUR/USDは昨日低下し、心理的水準である1.3300(S1)でサポートを見出した。現在同ペアは、心理的水準である1.3300(S1)と1.3400(R1)の間の取引レンジで横ばい推移となっている。何等かのトレンドのある状況にもっていくためには、投資家は、同ペアを、このレンジの外に押し出さなければならないだろう。直近の数日間では、MACDオシレーターの価値がゼロ前後となっており、価格の中立的な趨勢と横ばい推移を裏付けている。
• サポート:サポートは、1.3300(S1)の心理的水準で見出され、1.3231(S2)と1.3152(S3)がこれに続くだろう。
• レジスタンス:レジスタンス水準は、1.3400(R1)に存在し、1.3448(R2)と1.3517(R3)がこれに続くだろう(日足チャート)。
USD/JPY
• USD/JPYは、昨日の取引において上昇し、心理的水準である97.00(S1)で再び反発した。現在、同ペアは、98.00(R1)のレジスタンス水準と従来の上昇トレンドラインを下回っている。これらを上方突破すれば、99.13(R2)にある次のレジスタンスを目指すだろう。しかし、これらの水準でレジスタンスを見出せば、より低い高値を形成し、下落の動きが続くと予想される。
• サポート:サポート水準は、心理的水準である97.00(S1)に存在し、95.77(S2)と93.77(S3)がこれに続くだろう。
• レジスタンス:レジスタンス水準は、98.09(R1)に存在し、99.13(R2)と心理的水準である100.00(R3)がこれに続くだろう。
GBP/USD
• GBP/USDは、昨日のセッション中、1.5431(S1)のサポート水準をキャンドルの影でどうにか試した後、横ばい推移となった。現在、同ペアは、上昇トレンドラインで取り引きされており、強気筋がこれを押し上げるほど強ければ、1.5569(R1)水準を突破すると予想され、1.5674(R2)のレジスタンスを目指すと予想される。このシナリオは、短期的な調整局面の終焉と金利の上昇トレンドの持続を裏付けるだろう。しかし、MACDは引き続きゼロを下回っており、前述の動きの重要性を増大させるためには、MACDが強気な領域に入るのを待つ必要があるだろう。
• サポート:サポート水準は、1.5431(S1)、1.5200(S2)、1.5100(S3)に存在する。
• レジスタンス:レジスタンスは、1.5569(R1)に認められ、1.5674(R2)と1.5752(R3)(日足チャート)がこれに続くだろう。
金
• 金は、昨日、10月~7月の下落トレンドの38.2%フィボナッチ・リトレースメント(日足チャート)と一致する1422(R1)の領域でレジスタンスを見出した後、低下した。現在、同価格は、20期間移動平均とこれを下回るクロスにあり、1394(S1)のサポート水準が、短期的な調整の始まりを示唆するだろう。さらに、MACDオシレーターが、引き続きゼロを上回る強気な領域にあるが、トリガーラインの下方へのクロスが金の現在の弱さを裏付けている。
• サポート:サポート水準は、1394(S1)にあり、1376(S2)と1347(S3)がこれに続くだろう。
• レジスタンス:レジスタンスは、1422(R1)に認められ、1440(R2)と1485(R3)がこれに続くとみられ、いずれも日足チャートに認められる。
原油
• WTIは、昨日のラリーを調整し、再び108.85(S1)で取引レンジの上限を試した。この水準での反発に成功すれば、上昇トレンドが続く可能性は高まるだろう。一方、ストキャスティックとRSIオシレーターのいずれもが、買われ過ぎの領域を脱したため、前述の調整を裏付けている。
• サポート:サポート水準は、108.85(S1)、107.53(S2)、105.50(S3)に存在する。
• レジスタンス:レジスタンス水準は、112.14(R1)に存在し、121.13(R2)、128.54(R3)がこれに続くとみられ、いずれも週足チャートに見出される。
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