中国の元が6月、ドルに対し月間下落幅は3.4%となり、記録的大幅安になった。これは人民元の切り下げがあった15年8月の2.7%を上回っている。
この下落を止める可能性がある発言が4日、中国人民銀行(PBoC)の要人から相次いで出された。中国人民銀行の易綱総裁と同副総裁の潘功勝氏は、「人民元相場が合理的で均衡のとれた水準で基本的に安定することに、自信を持っている」と述べた。
金曜日からドナルド・トランプ米大統領が中国製品に対し340億ドルの追加関税を課すとしているが、元安の最大の要因は、この米中の貿易摩擦によるものだ。
加えて中国は、この戦争が始まる前からリスクの高いレバレッジ投資に対する政府の規制による資本流出の増加のために中国市場は低迷していた。そして、予期しないドルの急伸によって人民元安が招かれた。
これらの要因により、中国株式市場は現在2兆ドルの価値が失われたと言われている。
同時に、トルコのリラやインディアンルピーなどの他の新興市場通貨が軒並み、記録的な大幅安を記録した。
しかし、中国人民銀行の総裁の発言後、人民元は安定し始め、少しずつ通貨高に向かっている。
チャートを分析すると人民元の反発により上ヒゲ陰線(上図)となり、反転のシグナルとなっている。上ヒゲ陰線は、インジケーターのRSIが2016年1月以来の売られ過ぎの水準に達したときにも発生している。
RSIは2月以来上昇していたが、今回の中央銀行の発言をうけて反転する可能性が高まり、過去5〜6月の抵抗ラインであった67前後になると考えられる。
50日移動曲線(上図:緑)は4月20日から上昇トレンドであり、また、200 日移動曲線(上図:赤)は5月中旬に100 日移動曲線を(上図:青)をゴールデンクロスして以降上昇トレンドだ。今回、反発し移動曲線が収束したことにより、今後テクニカル的な要因を引き起こすだろう。
トレード戦略
保守的なトレーダーはトレンド順張りなので、相場の調整が終わるまで待ち、おそらく6.5レベル前後あたりでエントリーするだろう。
慎重なトレーダーは、損切幅が小さければリスクがあるトレードになるだろう。 もし価格が6.700レベルを再び目指す場合、彼らは日次高値の6.7161より上にストップロスを置き、ショートを考えるだろう。
積極的なトレーダーは、損切を覚悟で、日次高値より上か許容範囲の位置でストップロスを設定しショートするだろう。
トレードマネジメント
リスクレベルに関係なく、最低でも1:3のリスクリワードレシオの戦略を決めてからエントリーすべきだろう。
トレード例 1:よくない例
- エントリー: 6.6500 キリのいい数字であり、上昇トレンドラインである。
- ストップロス: 6.7170 リスク: 670 pips
- ターゲット: 6.5000 獲得ピップス: 1,500 pips リスクリワードレシオ: 1:2
考察: よくないトレードだ。利益の最大化を考慮できていないし、長期戦になる可能性がある。
トレード例 2: よい例 – 反発を待つ
- エントリー: 6.7000 今日の始値
- ストップロス: 6.7170 リスク: 170 pips
- ターゲット: 6.6000 獲得ピップス: 1,000 pips リスクリワードレシオ: 1:6
考察: すばらしい。推薦されたリワードレシオの2倍である。
トレード例 3: よい例 – 調整後のトレンドに乗る
- エントリー: 6.6500
- ストップロス: 6.6700 今日の始値 リスク: 200 pips
- ターゲット: 6.5000 獲得ピップス: 1,500 pips リスクリワードレシオ: 1:7.5
考察: すばらしい。