15日の米下院金融サービス委員会に出席したイエレンFRB議長は、年内の利上げスタンスを改めて示唆した。
米国外のリスクについても強い懸念を示すことはなく、むしろ「予想よりも速く回復する可能性あり」と指摘してきた。海外リスクの影響は限定的であると指摘したことで、今後米金融政策の方向性の焦点は、米指標データに絞られよう。イエレンFRBが指摘する通り、米指標データ(特に雇用関連指標・インフレ関連指標)でファンダメンタルズの持続的な改善傾向が確認されれば、年内利上げ観測を土台とした緩やかなドル高トレンドが形成されよう。
その場合、注視すべきはやはり米株の動向だろう。商品市況が不安定化する中でのドル高加速は、更なるエネルギー価格の押し下げ要因となり米企業の収益を圧迫しよう。その結果、「米株不安定化→米金利低下→ドル安」という皮肉な展開となる可能性が高まろう。
【テクニカル分析コメントコメント】 -EUR/USD、1.09割れの展開を想定
レジスタンス
1.1037:10日MA(黄ライン)
1.0994:一目/雲の下限
サポート
1.0916:7/7安値
1.0900:暑いビッド、下にストップ
1.0850:オプションバリア
1.0819:5/27安値
1.0800:サポートポイント
日足の一目/雲の下限どころかサポートラインをも完全に下方ブレイク。そして本日東京時間午後には7月7日安値1.0916レベルをも下方ブレイクしたことで、1.09トライは時間の問題となろう。
このサポートポイントには厚いビッドが観測されている一方、下にはストップが置かれている。1.09割れとなればストップハンティングにより、オプションバリアが観測されている1.0850レベルまで一気にユーロ安・ドル高が加速する可能性があろう。
一方、上値の焦点だが、雲の下限がレジスタンスとして意識されるかどうかが注目される。ユーロショートカバーの展開となってもこのテクニカルポイントで上値が圧迫されるようならば、1.09トライを常に警戒したい。
日足チャート