米連邦準備理事会(FRB)が物価目標の指標とするPCEコアデフレーター(食品とエネルギーを除く)は、前年同月比で1.2%の上昇にとどまった一方、上記の指標データは総じて好調な結果となった。NYタイムでは後者の方が材料視され、「株高/金利上昇/ドル高」で反応。興味深いのはドル高局面で米株が上値トライとなったことだが、FF金利先物市場での9月利上げ確率が23%前後となっている点を鑑みるに、米早期利上げ観測の後退が米株をサポートしている面がうかがえる。
だが、今週の米指標データが総じて好調ならば、ファンダメンタルズの改善に裏打ちされた実態の伴った「期待」を背景に9月利上げの可能性が意識されよう。外為市場では、昨日指摘した持続的且つ健全なドル高トレンドが形成されよう。その際、米株が高値圏を維持できるならば、円相場はUSD/JPYが円安のけん引役となろう。
逆に米利上げ観測が「懸念」として意識され米株が崩れるならば、他の株式市場も下値を模索する展開となろう(欧州株式及び主要な新興国株式市場は高値圏は維持しているものの、4月以降徐々に上値が切り下がる展開となっている)。結果、円相場ではクロス円での円高がUSD/JPYの上昇圧力を相殺する展開が想定される。
【テクニカル分析コメント】 -USD/JPY、126円を一気に視野に入れる可能性も
レジスタンス
126.00:厚いオファー、オプションバリア
125.50:厚いオファー、オプションバリア、上にストップ
125.00:厚いオファー、オプションバリア、上にストップ
サポート
124.26:5日MA(赤ライン)
124.00:サポートポイント
123.85:6/1高値
123.80-70:ビッド
123.50:ビッド
目先、最大の焦点は125円の突破。このレベルには厚いオファーとオプションバリアが観測されている。だが、上の水準にはストップが置かれており、ストップハンティングとなれば2001-2002年にかけて変則的なヘッドアンドショルダーの「ショルダー」レベル(ダブルトップ)126.00前後をトライ一気にトライする可能性もある。
一方、下値は引き続き5日MAの維持が焦点となろう。
日足チャート
日足チャート(2001~2002年)