昨日の動向で筆者が注目したのは、総じて良好な指標データに米国マーケットが「株高/10年債利回り上昇/2年債利回り低下」で反応したことだ。これが意味するところは「米景気は1-3月期の景気低迷を脱し回復基調へと回帰した(=米株高/10年債利回り上昇要因)。しかし早期利上げを促す程の回復力ではない(=2年債利回り低下要因)」ということだろう。
後者の観測を強めているのが、利上げのハードルとしてイエレンFRBが認識している低インフレ状態が続いていることだろう。昨日発表された米指標データは総じてファンダメンタルズ改善を示す内容となったが、消費者物価(CPI)コア指数だけは前月比0.1%増と市場予想に届かず。利上げのタイミングは労働市場とインフレ動向次第というのがイエレンFRBの一貫したスタンスである以上、労働市場の改善とともに低インフレ懸念を払しょくするだけの指標データも揃わない限り、ドル高トレンド回帰はまだ先の話となろう。
よって、目先の米国マーケットは「緩やかな株高 / 低空飛行の米金利(2年債利回り) / 売り買い交錯のドル相場」の展開が想定される。
【テクニカル分析コメント】-USD/JPY、122.00トライの可能性高まる
レジスタンス
124.50:オファー
124.46:6/18高値
123.62:21日MA(赤ライン)
123.51:10日MA(緑ライン)
サポート
122.45:6/10安値
122.00:リトレースメント38.20%&レンジの下限
21日MA(赤ライン)を完全に下方ブレイク。しかも、10日MAが21日MAを下方ブレイクしデッドクロスが示現。RSIも売り買い分水嶺の50.00レベル付近まで低下していることを考えるならば、目先はレンジの下限である122.00レベルの維持が焦点として浮上する可能性が高まってきた。
一方、上値の焦点は上記のMAを突破できるかが焦点となろう。
日足チャート