アジア時間は、中国の製造業購買担当者景気指数(7月、PMI)速報値に注目したい。同国の貿易統計によれば、輸入量は8か月連続で減少中。内需の縮小が企業活動の低迷につながっていることが確認されれば、同国の景気後退懸念とそれに伴う資源需要の縮小観測を背景に資源国通貨の圧迫要因となる可能性がある(6月の石炭及び鉄鉱石等を運搬する鉄道貨物輸送量は二桁のマイナス)。また、欧米株式の下落要因ともなろう。
欧州時間では、ユーロ圏の製造業購買担当者/サービス部門景気指数(7月、PMI)速報値に注目したい。総じて良好な内容となれば、さらなるユーロのショートカバーを促す要因となろう。
ただ、そのような展開となっても、その持続性はNY時間に発表される米新築住宅販売件(6月)の内容次第だろう。市場予想(54.8万件)以下となれば、持続的なユーロのショートカバーが想定される。一方、市場予想以上ならば米利上げ観測が意識され対ユーロでドルを買い戻す動きが散見されよう。後者の展開となった場合は、米国株式市場と商品市場がさらに下値を模索する可能性があるため要注意。両市場で軟調地合いが継続すれば、外為市場では資源国通貨売り・円買い優勢の展開となろう。ドル相場は米金利の動向次第だろう。株安を背景に金利低下となればドル買いは限定的となる一方、金利のみが上昇する展開となれば「リスク回避」のドル高となる可能性がある。
【テクニカル分析コメント】 -EUR/USD、焦点は21日MA
レジスタンス
1.1075:レジスタンスライン
1.1050:オファー
1.1023:21日MA(赤ライン)
1.0994:日足の一目/雲の下限
サポート
1.0936:10日MA(黄ライン)
1.0875前後:ビッド
1.0850:厚いビッド
1.0811:7/21安値
1.0800:厚いビッド
昨日に続き東京時間午前も日足の一目/雲の下限をトライする状況が継続中。RSIが売り買い分水嶺の50.00に向け上昇基調を維持している点も考えるならば、目先の攻防分岐は21日MAとなろう。約1ヵ月間レジスタンスラインとして意識されているこのMAでレジストされる状況が継続すれば、来週以降、1.08-1.11前後のレンジ相場へ突入する可能性が高まろう。逆にこのMAをローソク足の実体ベースで完全に突破した場合は、6月18日高値1.1437レベルを起点としたレジスタンスライン(今日現在1.1075前後で推移)が次のターゲットとして浮上しよう。
日足チャート