本日は欧米経済指標と米独金利の反応が、外為市場の焦点となろう。日本時間18時に独ZEW景況感調査期待指数(5月)とユーロ圏消費者物価指数(4月、HICP)が発表される。ドイツ&ユーロ圏経済の回復が指標データで示されれば、独金利に再び上昇圧力が強まることでユーロ相場をサポートしよう。
ただ、EUR/USDが1.1500レベルに向け上昇し続けるためには、「独金利>米金利」の状態を保つ必要がある。この点を見極める上での焦点は、日本時間21時30分の米住宅関連指標だろう。市場予想通り前月から大幅に改善する結果となれば、NYタイムは米金利の上昇が独金利のそれを上回ることで、昨日同様、米金利上昇を背景にドル高優勢となる可能性が高い。住宅市場の改善は個人消費の拡大を促すことから米株も高値圏での攻防を維持しよう。
この場合、最も注目べきはUSD/JPYの動向だろう。日足の一目/雲の突破に成功したが、未だトライアングル上限には四苦八苦している。だが「米金利上昇+株高」を背景としたドル高ならば、この重要テクニカルポイントを突破し、レンジの上限120.50レベルをトライする可能性が高まろう。
逆に米住宅関連指標が予想外に落ち込む内容となれば、上述した「独金利>米金利」を背景にEUR/USDは上値トライ(=ユーロ高/ドル安)の展開となろう。円相場では、クロス円の上昇がUSD/JPYをサポートする展開となろう。
【テクニカル分析コメント】-USD/JPY、トライアングル上限突破なるか
レジスタンス
120.50:厚いオファー、5/5高値(=レンジの上限)
120.30:オファー
120.28:5/12高値
120.10:トライアングル上限
サポート
119.59:21日MA(赤ライン)
119.45:一目/雲の下限
119.33:5/18安値
119.00:ビッド
118.95:トライアングル下限
118.80:ビッド、下にストップ
118.50:ビッド、下にストップ
トライアングルでの攻防が継続中。上下のチャートポイントは上記の通りだが、120.00前後での上値の重さを鑑みるに、トライアングル上限の突破は相当な神経戦となろう。このテクニカルを突破しても、RSIが売り買い分水嶺の50.00前後で未だ右往左往していること、DMIでドル高優勢シグナルが点灯してないこと、そして120.30及び120.50レベルにオファーが観測されていることも考えるならば、上値余地は120円ミドル手前と想定したい。
ドル買いで攻めるなら、119円台の上記サポートポイントもしくはトライアングル上限の突破を確認した後だろう。前者のアンワインドの水準は120.00前後、後者のそれは120.50手前を想定。
ドル売りを考えるならば、トライアングル上限手前だろう。このテクニカルの攻防の際、「独金利>米金利」の状況が確認できればEUR/USDでのドル安圧力がドル相場へ波及する展開が想定される。アンワインドの水準は、上記のサポートポイントを想定したい。
尚、ドル買い/売りどちらで攻めるにせよ、ストップは必須。
日足チャート