昨日はドル高と米株高が同時に発生した。だが、欧州株式の上昇(総じて1%以上の上昇率)と原油価格の反発にサポートされての米株高であることを考えるならば、米株の上値の重さは否めない。よって、筆者が指摘する「ドル高=米株安」という見立てにも変更はない。実際、ドル高が米株の懸念材料として強く意識され始めた3月上旬以降、ダウ平均やS&P500はじりじりと上値の水準を切り下げている。
再びドル高圧力が強まる中、来週14日以降、本格化する四半期決算までが総じて冴えない内容となれば、米株が崩れることで日欧株式も利益確定売り優勢の展開が散見されよう。結果、円相場ではクロス円を中心に円高が進行しよう。
特に注目すべき通貨ペアは上記のEUR/JPYとGBP/JPYとなろう。「株安/クロス円下落」となれば、USD/JPYはドル高圧力よりも株安圧力(=円高圧力)に反応し、下値を模索(短期サポートラインをトライ)する展開となろう。
さて本日の焦点だが、 アジア時間は中国の3月指標データ(消費者物価/生産者物価)に注目したい。冴えない内容とればAUD/USDは日足の一目/基準線で上値がレジストされ、目先のサポートポイント0.7570レベルを視野に豪ドル売り優勢となろう。
欧州時間は前回よりも改善する見通しとなっている英国の2月指標データ(鉱工業生産指数/製造業生産指数)とポンド相場の動向が注目点となろう。予想以上となれば、ポンド相場はショートカバーの展開となろう。特に注目はダブルトップとなっているEUR/GBP。目先のサポートポイントである0.7220レベルを下方ブレイクすれば、0.7200で推移している一目/基準線を視野に下値トライ(ユーロ売り/ポンド買い)の展開となろう。
一日を通して注視すべきはドル相場の動向だろう。ドル高維持の場合、週末と来週以降本格化する四半期決算を控え、米株が崩れる可能性がある。米株が下値トライとなれば、円相場は上述した展開となろう。
【テクニカル分析コメント】 -EUR/USD、1.05再トライの可能性を意識
レジスタンス
1.0800:オファー
1.0792:21日MA (緑ライン)
1.0789:4/9高値
1.0758:一目/基準線 (赤ライン)
サポート
1.0637:4/9安値
1.0620:ビッド、下にストップ
1.0602:リトレースメント76.40%
1.0600:ビッド
1.0580:3/18安値
1.0550:厚いビッド
1.0500:厚いビッド
一昨日は短期サポートラインを下方ブレイク。昨日は日足の一目/基準線と21日MAでレジストされ1.07割れ。さらにRSIが40.00以下となる等、テクニカル面ではダウンサイドに警戒すべきシグナルが点灯している。
目先のサポートポイントは1.1053からの76.40%戻し1.0602レベルとなろう。このポイントとも下方ブレイクした場合、重要テクニカルポイントが見当たらない。また、ビッドも1.0550以外に観測されていない状況を鑑みるなら、76.40%割れは1.05の再トライシグナルと捉えたい。
一方、上値は上記のテクニカルを突破出来るかが注目。直近のオーダー状況は上記の通り。
日足チャート
1時間足チャート