ここ2日間の動きで興味深いのは、対ドルにおける資源国通貨の値動きだろう。エネルギー価格の反発基調に対して素直に反応している株式市場とは対照的に、資源国通貨全般は対ドルで軟調な地合いとなっている。エネルギー価格の動向に加え、これまで筆者が指摘してきた「株高オンリーのリスク選好」状態が同時に発生しているにもかかわらず、対ドルで資源国通貨が軟調となっている事実は、昨日のレポートで指摘したテーマのシフト、つまり米金融政策に対するマーケットのメインテーマが「6月利上げ」から「9月以降の利上げに」にシフトしていることを示唆している。
また、テクニカル面でもUSD/JPYとドルインデックスのRSIが売り買い分水嶺の50.00を再び上回り、EUR/USDのそれが下回った事実がドル相場の底堅さを示唆。今後も米指標データや米株の動向(米株下落→金利低下)によりドルロングを調整する動きは散見されるだろうが、ドル高の土台を支える「金融政策のコントラスト=9月以降の利上げ期待」が崩れない限り、中長期スパンでは常にドル高を意識すべきだろう。
さて本日は、米連邦公開市場委員会(FOMC)が最大の焦点だろう。利上げ時期に対する具体的な議論の有無が争点となるだろうが、意外にも6月もしくは9月時点での利上げ支持が多ければ米金利に上昇圧力がかかることで、ドル相場をサポートしよう。
問題は米株の反応だが、四半期決算を直前に控えるタイミングでのタカ派議事録となれば、株安を誘発しよう。USD/JPYは他のドルストレートとは違い、米金利上昇よりも株安に強く反応することで円高優勢となる展開を想定したい。
尚、本日の日銀金融政策決定会合だが、統一地方選挙直前であること、また現在の円相場と株高傾向を鑑みるに現行の政策を維持するだろう。黒田東彦日銀総裁でもサプライズはないとみる。
【テクニカル分析コメント】-USD/JPY、120.60ブレイクなるか
レジスタンス
121.00:レジスタンスポイント
120.60:厚いオファー
120.50:オファー
120.45:4/7高値
サポート
120.17:21日MA(緑ライン)
120.00:サポートポイント
119.45:4/7安値
119.00:ビッド
118.75:短期サポートライン
118.70-60:ビッド
118.50:ビッド
短期レジスタンスラインのみならず、これまで相場をレジストしてきた21日MA(緑ライン)をもついに上方ブレイク。RSIも売り買い分水嶺の50.00を再び突破してきた。
ただ、その後伸び悩んている事実を鑑みるに、目先の焦点は厚いオファーが観測されている120.50-60レベルの突破となろう。このレジスタンスポイントをも突破した場合は、121円台を視野に入れる展開となろう。
しかし、現在のトレンドは「株安 / ドル高」である。USD/JPYが上昇トレンドを維持するためには「株高 / 金利上昇(ドル高)」が必須条件である以上、目先は120円ミドル前後を売りポイントと想定しておきたい。
一方、下値はNYの終値ベースで120円台を維持出来るかが焦点となろう。
尚、ビッドは119.00から118.50にかけて断続的に観測されている。