週明けの外為市場では、5日の雇用統計後の流れを引き継ぐことなくドル高が小休止。その間隙を突いたのがユーロだった。この日発表された4月の独鉱工業生産が強い伸びを示したことで、独10年債利回りが上昇。一方、米債利回りは欧米株安を背景に各ゾーンで低下。結果、対ドルでユーロ買い圧力が強まり、EUR/USDは今月4日以来となる1.13台へ再上昇する局面がみられた(高値1.1307)。ユーロクロスでも同様の展開となり、EUR/JPYは140円ミドルレベル、EUR/GBPは0.73ミドルレベルをそれぞれ突破する展開となった。
一方、ドル相場は上記のユーロ買いに加え、オバマ米大統領がドル高に対して懸念を表明したとの報道(のちに米サイドが否定)も流れ、対主要国通貨で総じて軟調な地合いに。EUR/USDは上述の通り。USD/JPYは124.29レベルまで下落。新興国通貨全般でもドル売り優勢地合いとなった。
週明けの欧州マーケットは「株安/独連邦債売り(金利上昇)」の展開に。根強いユーロの買戻しも合わせて考えるならば、これまでの「株高/独連邦債買い(金利低下)/ユーロ売り」ポジションの調整は継続中。
だが、以前も指摘したように独連邦債のポジション調整(=金利上昇)を背景としたユーロ買いは長くは続かないだろう。このまま独金利の上昇トレンドが鮮明となれば、欧州株式市場での下落スピードが加速しよう。欧州株式市場でポジション調整を越えたリスク回避ムードが鮮明となれば、安全資産である独連邦債へ再び資金がシフトし独金利は低下しよう。結果としてユーロには再び売り圧力が強まろう。実際、昨日の米国マーケットはそのような状況(=株安/金利低下/ドル売り)となった。米欧金融政策のコントラスト(=方向性の違い)という土台もしっかりしている以上、EUR/USDのレンジは引き続き1.08-1.15レベルと想定したい。